4月1日から自転車「ながらスマホ」に“青切符” ドコモとKDDIも警告、危険性や罰則金は?(2/2 ページ)
2026年4月1日から16歳以上を対象に自転車の交通違反へ青切符が導入されることを受け、NTTドコモやKDDIがながらスマホの危険性について一斉に注意喚起を実施した。スマートフォンの操作やイヤフォンの装着がもたらす視認性の悪化や遮音のリスクと、違反時に科される具体的な罰則内容を解説する。
なぜ赤切符から青切符へ? 新制度の背景と取り締まりの実態
これまで自転車の交通違反は、全て前科がつく「赤切符」を用いた刑事手続きで処理されていた。しかし、現場での書類作成や取調べのための出頭など、警察・違反者双方の時間的・手続き的な負担が大きく、検察に送致されても不起訴になる場合があったため、実効性のある責任追及が不十分だと指摘されていた。そこで、簡易な手続きで迅速な処理が可能となる青切符が導入されることになった。
指導や取り締まりは、自転車事故が多く発生する朝と夕方の時間帯を中心に、各警察署が指定した「自転車指導取締重点地区・路線」などで集中的に実施される。違反をして青切符と納付書を交付された場合、原則として告知を受けた翌日から7日以内に金融機関で反則金を納める必要がある。これを放置して反則金が納付されないと、行政手続きから刑事手続きへと移行し、前科がつくリスクが生じる。なお、運転免許証を持たない学生などの本人確認は、マイナンバーカードや学生証、または家族への連絡などで行われる。
自転車の交通違反に対し、2026年4月から青切符制度が導入される。従来の赤切符より迅速な処理が可能となり、前科を避適けつつ実効性のある責任追及を目指す。背景には自転車事故や法令違反の増加がある(出典:画像は政府広報オンラインのサイト)
具体的な反則金額と、自動車免許への影響は?
新制度ではスマホに関する厳しい罰則が設けられた。手に持って通話したり画面を注視したりした運転者には青切符が適用され、自転車の反則金の中で最高額となる1万2000円が科される。自転車に取り付けたスマホの注視も違反だ。さらに、事故を起こすなど実際に交通の危険を生じさせた場合は赤切符の対象となり、1年以下の拘禁刑(懲役)または30万円以下の罰金となる。
イヤフォンについては、周囲の音が聞こえない状態で運転した場合、公安委員会順守事項違反として青切符が適用され、5000円の反則金となる。ただし、片耳のみの装着や骨伝導型・オープンイヤー型などを利用し、安全な運転に必要な音が十分に聞こえる状態であれば違反にはならない。
自転車運転中のスマホ注視は、車体に固定していても道路交通法で禁止されている。実際に交通の危険を生じさせた場合は赤切符の対象だ。また、イヤホン使用も安全な運転に必要な音が聞こえない場合は違反となる(出典:よくある質問|自転車ポータルサイト)
なお、自転車で青切符を切られても、自動車の運転免許の点数が引かれることはない。しかし、ひき逃げなどの重大な事故や、酒酔い運転・酒気帯び運転など極めて悪質・危険な違反を犯した場合は、公安委員会の判断により自動車の運転免許が最大6カ月間停止される可能性がある。
常習者へのペナルティー 「自転車運転者講習」の受講が命じられる
危険行為を3年以内に2回以上繰り返した常習者には、都道府県公安委員会から「自転車運転者講習」の受講が命じられる。この命令に従わなかった者には、5万円以下の罰金が科される。さらに、事故を起こした運転者が数千万円の損害賠償を命じられるケースもあるため、万が一に備えて個人賠償責任保険などへ加入しておくことも重要だ。
自転車安全利用五則をしっかりと守り、未着用時は致死率が約1.4倍に跳ね上がるヘルメットの着用に努めることが命を守る鍵となる。新制度の導入を機に、ながらスマホやイヤフォンの不適切な使用をやめ、自分と周囲の安全を守る行動をいま一度見直す必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ソニー「LinkBuds Clip」3万円前後で発売へ 耳をふさがないイヤーカフ型で装着感を重視
ソニーは1月22日、耳をふさがないイヤカフ型の最新モデル「LinkBuds Clip」を発表した。周囲の音を聞きつつ音楽を楽しむ「ながら聴き」を追求し、高い装着性と音質、優れた通話性能を両立した。発売は2月6日で価格は3万円前後。
「耳をふさがないイヤフォン」でやってはいけないこと5選 迷惑行為や交通違反になるリスクを解説
オープンイヤー型イヤフォンは、耳をふさがずに音を聴ける構造から、ながら聴きや運動時の安全性確保などに役立つアイテムとして、一部のメーカーが注力している。一方で、その特性ゆえに、誤った使い方をすると周囲への迷惑になったり、利用者自身にとってデメリットになる。オープンイヤーイヤフォンを使ううえで避けるべき行動や注意点について整理する。
「自転車ながらスマホ」の危険性をVRで体験――KDDIなど3社が啓発活動
KDDI、ナビタイムジャパンとau損保が、携帯電話・スマートフォンの「ながら運転」の危険性を啓発するプロジェクトの第2弾を開始する。VRコンテンツも用意し、KDDIが主催・協賛するイベントを中心に体験コーナーを設けるという。どれくらい“危険”なのか、体験してみた。
自転車ながらスマホを防ぐオンライン授業キット KDDIが学校に無償提供
KDDIは4月6日、「自転車ながらスマホ」の危険性をオンラインで体験できる「自転車ながらスマホを防ぐオンライン授業キット」の無償提供を始めた。自転車乗車中の交通事故が多い高校生を中心に、全国の学校の授業で利用できるよう無償提供するとしている。3月14日には、東京都の北豊島高等学校で授業キットを活用したトライアル授業を実施。
テレビ会議のお供に使いたい「オープンイヤーイヤフォン」 3モデルを試してみた
新型コロナ下の現状、ビデオ通話用に、“ながら聴き”対応の「オープンイヤーイヤフォン」が注目を集めています。そこで、筆者も購入した3メーカーのモデルを試しました。
