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2003年5月30日 09:52 PM 更新
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第一人者、Feiner教授が示唆した「ウェアラブルの未来」(3/3)
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自然な動作で全体像を把握できる
現実空間に情報をオーバーラップするときには、そのオーバーラップした情報のなかで「全体像を見たい」と思うものである。
ユーザーのニーズは「全体像が分かるなら全体像を知りたい」。でも、「複雑な操作は面倒」だから、「できない」か「やりたくない」になってしまう。
高度な情報を、極めてシームレスで自然なインタフェースで提供する、ということが大切なわけで、そのバランスが大切なのである。
Feiner教授は、そのインタフェースシステムについても、きっちりと提案をしている。普通に見るとまわりの空間に情報が表示され、視線を落として下を見ると全体のガイダンスが表示される、というものである。
View Managementシステムでは、見下ろすと全体像が見える
画面内の文字と、見下ろして出てきた全体サムネイルの共存状態。これがシームレスにつながっている
さらに下を向くと、全体像がクローズアップされ、その内部をクローズアップできる
ウェアラブルで使用できるインタフェースは、極めて限られている。キーボードを使ったりすることは基本的にはできないわけで、自然な人間の動作に、必要なインタフェースを割り当てることがたいへん重要である。
「下を向くとガイドが出てくる」というのは、なかなか考えられたインタフェースではないだろうか。そういえば、知らない街を歩いていて、迷ったときに地図を見るようなときには、下を向くではないか。
やるなぁ、Feiner教授。ちょっと、ファンになってしまった。
最後にFeiner教授は、将来への期待としてデバイスが小さくなることを挙げていた。そのキモチはとてもよくわかる。未来を生きているFeiner教授にとっては、現在のような大きなHMDはとうてい我慢できないのだろう。
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[美崎薫, ITmedia]
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