ハードウェアMPEG-4エンコードに対応したPCIカードNEXXより発表
動画データをMPEG-2で保存してMPEG-4に変換する処理は、動画フリークの間でごく普通に行われてきた作業。しかし、最近ではビデオデッキPCとAVサーバの登場で「動画フリーク」ユーザー以外でも、ストリーミングデータへの変換が頻繁に行われるようになってきた。
ビデオデッキPCユーザーの場合、テレビ番組や映画を録画する機会が多くなるが、60分なり120分なりの保存データをMPEG-2からMPEG-4に変換する場合、PCのパフォーマンスによっては、「寝る前に処理を実行して朝起きることに終了している」というように、処理に多大な時間が必要になる。
いままでMPEG-4形式の保存作業は、ソフトウェアエンコードで行わなければならず、その処理時間はPC側のパフォーマンスに大きく依存する状況にあった。リアルタイムエンコードに近いパフォーマンスを求める場合、Pentium 4/3.06GHz+メモリ容量1GバイトといったミドルエンドクラスのPCでも解像度320×240ドット、ビットレート700Kbpsが限界となる。
AVサーバが登場して、家庭内でもメディアサーバからネットワーク経由で動画データを再生する機会が増えるにつれて、動画の保存にMPEG-4を選択するユーザーが多くなってきた。しかし、ごく普通のホームユーザーにとって、この変換にかかる時間はストリーミングデータが前提となるAVサーバの利用に大きなハードルとなっていた。
NEXXが2月17日に発表した「NXCD-750」は、コンシューマー向けPCパーツとしては初めてハードウェアによるMPEG-4エンコードをサポートしたPCIカード。出荷開始は3月下旬からで実売予想価格は1万7800円。PC側のパフォーマンスに関係なく、MPEG-2データの記録時間と同程度の時間で、MPEG-4へのエンコードを実行できる。
NEXXが公開したデータによると、解像度720×480ドット、ビットレート6.8Mbps、記録時間4分4秒のMPEG-2データに対して、出力ビットレート700Kbps(そのほかの条件は基データと同じ)で4分10秒、2Mbpsで4分13秒と短時間でエンコード処理を行っている。
ちなみに同じデータをDr.DivX1.0.3でエンコードした場合、Pentium 4/3.06GHz+メモリ容量1GバイトのPCで出力ビットレート700Kbpsの場合7分35秒、2Mbpsの場合8分41秒かかっている。
NXCD-750のエンコード処理はCPUにCeleron 2.4GHz、メモリ容量384Mバイトを搭載したPCで行ったときのデータ。バリュークラスのPCでもミドルクラスPCより高速でMPEG-4エンコード処理が行えるわけで、非常にコストパフォーマンスが高いアップグレードパーツといえるだろう。
「700Kbpsのエンコード時間と2Mbpsのエンコード時間は誤差範囲。ビットレートが上がってもエンコード時間に影響しない。スペック的には8Mbpsまでこの処理時間で対応できる」(NEXX 取締役 加藤千秋氏)
NXCD-750には、DivXのハードウェアエンコード用チップとしてVWEB社の「VW2010」が実装されている。VW2010はMPEG-1/2/4(MPEG-4はSimple Profile Levell-3 FullD1拡張サポート)のエンコードとデコードと行うチップ。VW2010に入力されたMPEG-2データは、そのままチップ内部でMPEG-4にエンコードして出力される。
NXCD-750にはトランスコード用の専用ソフトウェアが同梱されるが、その処理手順はエンコードするファイルを選択し、出力ファイルを指定するもの。そのほかにビットレートや解像度なども設定可能になっている。
ソフトウェアの仕様上、すでに保存されているMPEG-2ファイルを指定しなければならないため、NXCD-750で扱えるのは「すでに保存されているMPEG-2データ」に限られる。「MPEG-2でキャプチャーしながら、リアルタイムでMPEG-4にエンコードする」といった処理には対応していない。
VW2010自身は入力されたMPEG-2を逐次MPEG-4に変換しているだけなので、チップのスペック的にはキャプチャーしながらそのままMPEG-4へ変換することも可能になっている。ソフトウェアが対応すれば「リアルタイムのMPEG-4エンコード」はすぐにできると思われるが、「その対応は将来の製品で実現するべく現在開発中」(加藤氏)
NEXXからはNXCD-750のほかに、ビデオエンドポイント「NVEP-700T」とネットワークDVDプレーヤー「NDVP-730H」が同日発表された。ともに出荷開始は3月中旬の予定で、実売予定価格はNVEP-700Tが2万2800円、NDVP-730Hが2万9800円。
ビデオエンドポイントのNVEP-700Tは、ネットワークインタフェースとして10/100BASE-Tを実装し、ネットワークを介して供給されるストリーミングコンテンツを再生する端末として開発されたもの。本体にUSB1.1やPCカードスロットを備え、外部ストレージに保存したコンテンツデータも再生できるのが特徴となっている。
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