TD-CDMA実現には1社あたり5MHzでは足りない!?
モバイルブロードバンド協会(MBA)が開催したフォーラムでは、各社のプレゼンテーションのほかパネルディスカッション「3G TDCDMAへの期待と電波行政」も行われた。ここでは、TD-CDMAの商用サービスが秘める可能性をそぐような問題が浮き彫りになった。
それは、TD-CDMAに割り当てられる周波数帯域だ。
パネルディスカッションでは、MBA理事である真野浩氏をコーディネーターに、TD-CDMAを推進する事業者としてイー・アクセス種野晴夫氏、同諸橋知雄氏、マルチメディア総合研究所の信國謙司氏、ソフトバンクBBの宮川潤一氏が、電波行政を担う総務省の富永昌彦氏が登壇し議論した。
「5MHzで1,000万人を収容するのは無理」(ソフトバンクBB)などの発言が出てきたようにTD-CDMAに割り当てられる5MHzという周波数帯は非常に狭い。TD-CDMAには今のところ2010MHz~2025MHzの15MHzを割り当てることが検討されており、ここ3社が参入すると1社あたり5MHzしか割り当てられない。これは、現行の携帯電話に割り当てられている1社当たり20MHzの帯域を考えると非常に狭い帯域だ。
そこで出てきたのが、先にマルチメディア総合研究所が触れていたインフラの共通化だ。1つの方法として、共同でインフラを構築する案があるが「無線はリスクが大きいため、だれが責任を取るかが問題になる」(イー・アクセス)との意見が出てきた。そのため、特定の事業者がインフラを構築し、ほかの事業者に貸し出すMVNOやホールセールといった方法が考えられる。しかし、インフラを持つ事業者がサービスを行うことには問題があるとの意見も出てきた。
これに対して総務省の富永氏は「固定局のマイクロ波は光ファイバーの通信に移ってもらったり、800MHz帯(携帯電話で用いている帯域)の整理を行うなどの作業を進めている」と報告した。
また、TD-CDMAにおけるビジネスモデルについても大きな差が出た。イー・アクセスは4半期ベースはもとより、通期の黒字化も見えてきている。そのためか、「インフラだけで収益をあげる」とTD-CDMAでも現在のADSL回線のホールセールビジネスと同じ姿勢を取ることを示した。一方のソフトバンクBBは「Yahoo! BBはADSL単体だと安いが、BBフォンやBBケーブルTVなどのアプリケーションを載せることでARPUを上げてきた。TD-CDMAでも同じようなモデルを取るつもり」だとした。このように、ソフトバンクBBとイー・アクセスは、TD-CDMAでもADSLと同じビジネスモデルで進めていく方針のようだ。
そのため、IP携帯電話について質問を投げかけられると、イー・アクセスは「音声をする人が出てくるかもしれない」とした一方で、ソフトバンクBBとマルチメディア総合研究所は「ADSLでIP電話をやるのと同じだ」と前向きな答えが聞かれた。
このようにサービスの方向性は示されたものの、各社とも、通信速度、料金、エリア、商用サービスの開始時期、定額制の電話サービスなど具体的な内容はまだ検討中だとして、堅く口を閉ざしたままだった。
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
初代Switchに脆弱性 QRコード読み取りで情報漏えいの恐れ 深刻度「高」
-
2
“自動で耳コピ”アプリ、ヤマハが無料公開 音源読み込み→3分でピアノ譜に
-
3
無人タクシー、東京で来年運行へ GO、Waymo、日本交通が合意
-
4
「AIで効率化しても仕事が増えるだけ」──月○時間浮かせても報告しない社員たち 広がる“AI版静かな退職”
-
5
マンガ数冊「105万円でSOLD」物議、メルカリ“マネロン疑惑”を否定「その価格で売れていない」……ならばなぜ?
-
6
録画した番組を「Googleドライブ」「OneDrive」に保存 パナソニック新型「DIGA」で
-
7
Appleの「iPhone Duo」は、折りたたみスマホの未来を開くのか、閉じるのか
-
8
「悪用されそう」─―メルカリ「限定公開」機能、SNSで物議 同社に対策を聞いた
-
9
Netflixとセガが提携、名作ゲームを続々映像化へ 第1弾は「クレイジータクシー」
-
10
「GPT Astraでゲーム開発=ほぼソシャゲ」説を唱えたい 非エンジニアの挑戦は、廃課金への道か
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR