インテルが描くエンターテイメントとエンタープライズコンピューティングの未来像(1/2 ページ)
4月7日に引き続いて開催されたIntel Developers Forum Japan Spring 2004の二日目、基調講演のテーマはデジタルホーム、エンタープライズ、そしてインテルが研究開発を進めている“アダプティブ”なワイヤレス通信技術の3つ。前半2つの講演からトピックを抜き出してみたい。
なお、アダプティブ技術を用いたワイヤレス通信に関しては、昨年9月に行われたIntel Developers Forum Fall 2003最終日に、インテルCTOのパット・ゲルシンガー氏が講演していたものとほぼ同じである。「Intelが提唱する「ワイヤレス技術のルネッサンス」」を参照頂きたい。
Wi-FiとHi-Fiを同時に提供
インテル副社長兼デスクトップ・プラットフォームグループ事業部長のウィリアム・スー氏は、インテルが近年力を入れ、基調講演のテーマとしても定番となっているデジタルホーム構想がテーマとなった。
デジタルホーム構想は、家庭内にデジタルデバイスが増加し、それぞれがネットワークと融合しようとしている昨今を反映し、家庭内ネットワークの中でいかにしてユーザーに新しい魅力的な機能を提供するかのコンセプトである。
キーワードはブロードバンドアクセス、Wi-Fi(IEEE802.11)、それにDHWG(2003年6月25日の記事参照)、コンテンツプロテクションにデジタル著作権管理技術だ。
ブロードバンドアクセスに関しては、日本ではすでに普及が進んでいるが、米国ではWiMAX(IEEE802.16)をテコに普及率上昇を狙っている。Wi-Fiの世界的な普及は疑いようがない。コンテンツプロテクションやデジタル著作権管理技術がこなれてくるまでには時間がかかるだろうが、デジタルデバイスの相互接続を実現するDHWGに関しては現在進行形で仕様策定が進んでいる。
しかし、実際の講演におけるストーリーの中心にあったのは、これらデジタルホームのインフラに関するものではなく、近く登場する予定のデスクトップPC向けプラットフォームだった。新しいデスクトップPCのプラットフォームは、性能を高めるとともに特にAV機能を強化。AV機器ライクな機能を持たせたEntertainment PCというコンセプトを打ち出すことになっている(3月4日の記事参照)。
その心臓部となるのは、もちろん今四半期に投入される次世代Pentium 4のPrescott。新命令SSE3を搭載し、ハイパースレッディング機能を強化し、FSBを高速化。2次キャッシュメモリも1Mバイトに増量される。これらの改善によって、クロック周波数あたりのパフォーマンスを堅実に向上させている。
加えてPrescottと組み合わせる新チップセットのAlderwoodとGrantsdaleには、様々な新しいフィーチャーが盛り込まれている(2月18日の記事参照)。
デュアルディスプレイやDirectX 9対応、HDコンテンツ再生支援などの機能を備える新設計のグラフィックコアを内蔵し、メモリ帯域を向上させるDDR2メモリをサポート。4チャネルのシリアルATA、PCI Expressに対応し、RAID 0/1も利用可能だ。
「“大切なコンテンツをPCに保存しておくとデータが壊れないか心配”という声に応えミラーリングを可能にした」とスー氏。このほか、デスクトップPCをWi-Fiアクセスポイントとする機能も提供される。
また新グラフィック機能はD端子/コンポーネント端子への出力も行え、新しい高品質オーディオ機能のIntel HD Audio(旧名Azalia、2003年2月21日の記事参照)が搭載されていることもアピールする。96kHz/24bitなどの高解像オーディオを8チャンネル(7.1チャンネル)出力できる新しいオーディオ機能をデモ。D端子出力からプラズマディスプレイに映像も表示させ「複雑なAVコンポーネントを接続する必要はない。新しいEntertainment PCを導入すれば、1台であらゆるデジタルエンターテイメントを実現できる。我々の製品ならば、Wi-FiとHi-Fiを同時に提供できる」とスー氏は話す。
もちろん、日本市場の事も忘れてはいない。スー氏は「日本市場ではパフォーマンスだけでなく、静かでコンパクトなPCが求められていることを知っている。しかし、最新のPrescottとGrantsdaleを同時に搭載しながら、静かでコンパクトなPCを設計するノウハウは蓄積された。たとえばNECが試作したスーパーサイレントPCは、Prescott向けの新しいプラットフォームの機能を活かしながら、コンパクトな筐体にシステムを収め、その上でほとんど騒音がしない」と、消費電力の多さを懸念する日本市場にメッセージを投げかけた。
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