「DIGA」「VIERA」好調で松下が黒字転換
松下電器産業が4月28日発表した2003年度連結決算は、最終損益が421億円と前年度の赤字から黒字転換した。稼ぎ頭のDVDレコーダーや薄型TV、携帯電話などを含め全領域で増益を達成。「V字回復」ぶりに余裕も見せつつ、中村邦夫社長は「危機は続いている」として改革の手綱をゆるめない。
売上高は同1%増の7兆4797億円、営業利益は同54%増の1955億円。最終損益が195億円の赤字だった2002年度から黒字転換を果たした。
「PSX?生産中止でしょ?」
業績をけん引したのは、DVDレコーダー「DIGA」や薄型TV「VIERA」などのデジタルAV家電。DIGAを含むDVD機器全体では計170万台、同27%増の1510億円を売り上げた。プラズマTVは同57%増の1267億円、携帯電話など移動体通信機器も同22%増の5360億円と大幅増となった。
都内で開かれた会見で、川上徹也常務は「DVDレコーダーは昨年末、他社の低価格攻勢にあってシェアを落としたが、3月に新製品を投入し、3月第2週でトップに復帰した」と胸を張る。「DVD-RAMへの対応や、全機種でコピーワンス・ムーブに対応していることが強み」と“他社”との違いを強調。記者からの「PSXは脅威ではなかったか」という質問に「生産中止でしょ?」と余裕で応じた。
DIGAなどを含む戦略商品「V商品」90品目を中心に、部材の集中購買などの合理化を進めた結果、売上高営業利益率は2.6%と同0.9ポイント改善した。
今期はV商品だけで売上1兆5000億円に
新たに連結対象に加わる松下電工分を除く2004年度見通しは、売上高こそ7兆5500億円と1%増にとどまるが、営業利益は43%増を掲げた。
柱となるV商品は「DVDレコーダーなどで新製品を続々投入する」(川上常務)。新たに71品目を投入し、V商品だけで1兆5000億円の売上を見込む。付加価値を高めた上で製造コストも削減し、利益率を押し上げるねらいだ。
AVカンパニーは売上で8%増、営業利益で57%増が目標。DVD機器の出荷は510万台と前年度から3倍の大幅増を見込む。
デジタル家電の心臓部となる半導体への積極投資も続ける。「世界のデジタルTVの同一プラットフォーム化に成功した松下にとって半導体は重要」(中村社長)。システムLSI向けに2005年までに1300億円を投じる計画だ。
中村社長は「今年はオリンピックイヤー。TVやDVDレコーダーを積極的に販売し、新製品も早期に投入していく」と攻めの姿勢を貫く。だが現状を「松下の窮地は去ったが、危機は続いている」とシビアに分析してみせた。V字回復に浮かれることなく「地道に計画達成を目指す」とあくまで慎重。「2006年度に営業利益率5%以上、2010年度には10%以上」が目標の中村改革はいまだ道半ばのようだ。
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