霧のスクリーンからケンカするコンピュータまで~「IVR2004」(1/2 ページ)
6月16日から18日まで、東京ビッグサイトで「産業用バーチャルリアリティ展(IVR)」が開催されている。初日にこれを見てきた。
この展示会は「設計・製造ソリューション展」「機械要素技術展」と同時に開催されているもので、IVRの会場面積は全体の9分の1程度しかないのだけど、そこにわたしの好きなものがあるのだ。
FOG SCREEN
まず、いちばん目をひいたものから。
クリスティ・デジタル・システムズのブースにあった「FOG SCREEN」。フィンランドのFogScreenの製品。天井の装置には、小さなノズルが1列に並んでいる。ここから下に向かって水蒸気が吹き出されるのだ。加湿器の要領である。これで、水蒸気でできたスクリーンというものができあがる。あとはプロジェクタでそこに映像を投影するだけだ。これが、綺麗に映るのだ。
もともとが水蒸気だから、向こうは透けてみえるし、人間がスクリーンを通り抜けるのも自由。アミューズメントだったら、通り道にいくつも並べておいて、次々くぐっていくなんていうのも楽しそうだ。
ところで、わたしは以前、メディアアートユニットh.o.(*1)の個展で、落ちていく砂に映像を投影するというものを見た。時期的に見てどちらも独立に思いついたもののようだけど(*2#r2##)、同じようなことを考える人はいるものである。
スーパードーム
東京現像所+オリンパス+千葉大学羽石研究室による。直径5メートル、高さ3.2メートルのミニドームだ。
中に入ると、その内側の前側半分が球面状のスクリーンになっている。ここに、スクリーンの手前左右に置かれた4台のプロジェクタから画像を投影する。4つのプロジェクタの画像は、綺麗につながって1枚の画像になるように、ちゃんと変換されるのだ。
1台のプロジェクタで投影しようとすると、どうしてもプロジェクタが特等席に座ってしまう。でも、周囲に置けばそういうことはない。
その特等席で見れば、自分の真横、真上まで画像が表示されるので、高没入感が得られる。いくつかデモをみせてもらったのだけど、CGで作ったゲームっぽい映像(スカイシップに乗って狭いところをくぐり抜けていくという、もうおなじみの構図)は、確かにその通りだ。はっきりいって「酔う」。
一方、自然の風景のような映像の場合、ちょっと違和感がある。画面に表示されているのは無限遠(あるいは、かなり遠く)なのに、実際にスクリーンがあるのは2.5メートル先だ。目のピント調整機構から得られる遠近感と、表示されているものの距離とが大きく食い違うのが原因のような気がする(ゲームの場合は、そういうのに慣れているのだ)。ドームが十分大きくできれば、この違和感はなくなると思うのだが(映画を普通に見られているんだから)。
Perspecta
日商エレクトロニクスのブースにあるPerspecta。
中央に回転するスクリーンがあり、そこに中央から画像を投影する。円周方向は198分割されていて、それぞれのむきからの画像が見える。
投影のしくみは違うけれど、いぜん紹介した日立のTranspostとよく似ている。ただし、こちらは入力は基本的にOpenGLのようなコンピュータのデータだ。そのかわり解像度はすでに768×768ピクセルとなっている。原理は似ているが求めるところがかなり違っているようだ。
2D→3D変換
ステレオ立体画像を表示するハードウェアは何種類も登場している。シャープなどの裸眼立体視できる液晶ディスプレイは、あちこちで見かけた。でも、そこに表示するコンテンツがまだあまりないのが現状だ。
*1 慶應義塾大学稲蔭研究室で、「Twin Lamp」(1ビットの情報で結ばれた2つのランプ)などを作った小川さんたちのユニット。
*2 h.o.の個展があったのは今年の3月だけど、昨年の3月に「今度こういうの作るんですよ」という話を伺っていた。一方、FOG SCREENのお目見えは昨年7月のSiggraph。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR