レビュー
「VSA-AX10Ai」の音色は“制作者の意図”を再現した?(3/3 ページ)
別記事に掲載したパイオニア小野寺氏から、取材後、AX10シリーズの音質設計を行ったAV設計部小田島宏支氏のコメントをいただいた。
「パイオニアの独自性は、単に他社にない音作りをすることではなく、音楽や映画の製作者の意図を忠実に再現することにあります。この意味は、スタジオの音そのものを再生するということではありません。むしろ、そんなレベルを凌駕する、製作者が『ここまでわれわれの作った音が再生されてしまうのか!』と驚き、おののく、そういう次元の音です」。
実は、パイオニア本社で「Exclusive」シリーズとのセットでデモしていただいた音が、どこかで聴いた音と似ているとずっと考えていた。思いついたのは、このシリーズ連載の最初に紹介した、ソニー金井氏の試聴室で聴いた音である。異なるスピーカーと部屋なのだから、全く同じというわけではない。しかし、やや引いた視点で見ると似ているし、その傾向はわが家での試聴でもおおむね同じだ。
そんなことを、当の金井氏に再会した時に話してみたら、パイオニアのExclusiveやオーディオ専業メーカーのアキュフェーズが作る音、そしてソニー金井氏が作る音も、大枠では似たものだとのコメントをもらった。もちろん、キャラクターの違いはあり、それがメーカー間の違いにもなっている。だが、目指す方向が同じなら、似てくるのも当然というべきか。
VSA-AX10Aiでお気に入りの曲を聴いていると、音の立体感、抜けの良さ、低域の実在感。そんな言葉が思い浮かんでくる。「われわれの向かう先は“独自性=製作者意図の徹底研究、忠実再現”です」(小野寺氏)。
“制作者の意図の再現”という、他社には見られないコンセプトが、音屋としてのパイオニアの音色を作り出しているのかも知れない。
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