「The Netに新しいサービスレイヤを」Intel CTOが提案するネットの未来(4/4 ページ)
The New Net???
PlanetLabのサービス仮想マシン上ではあらゆるサービスを実行できるため、“これができる”という決まり文句は存在しない。言い換えれば、コンピューティングパワーとストレージの組み合わせで実現できることは、なんでもできるということだ。ゲルシンガー氏は二つの例を挙げた。
ひとつはPlanetLabのノード上で、インターネットを通じたサイバーアタックを監視するサービスを実行するというもの。アタックの種類や攻撃元、攻撃先の地域などの情報を、各ノードが少しづつ分担しながら収集する。こうしたサービスを世界中のノードで実行、結びつけておくことで、グローバルな視点でのサイバーアタックの傾向分析などを素早く行えるわけだ。もちろん、他の手法でも同様の機能を実現できるだろうが、PlanetLabならば分散サービスのレイヤが存在するため、容易に実現できる。
もうひとつの例は、適応型のトラフィック制御サービスを実行する例だ。たとえばメディアストリーム配信をインターネットで行うとき、先の例と同様にサービスノードのネットワークを利用し、輻輳の発生などの問題を分散収集。さらにトラフィックやパケットロスの状況を自動判別し、ノード自身がプロクシサーバのように動作するよう動的にネットワークを再構成。同一地域からの同じストリームへのアクセスを、自動的にまとめて最適化を図る。
これは言い換えると、Akamai Technologiesのサービスに似た分散型のコンテント配信ネットワークを、状況に応じて動的に構成するサービスとも言えよう。ゲルシンガー氏自身も「Adaptive(適応型)Akamai」と表現していた。
「この技術を用い、我々はHewlett-Packardやパブリック・ブロードキャスティング・サービスと共に、インターネットを用いたHD映像の配信サービスを実現させる準備を進めている」とゲルシンガー氏。
確かにパワフルな機能を比較的容易に実現できるPlanetLabの仕組みだが、果たしてこれがインターネットの上に被さるものなのか? 今ひとつシックリと来ないという読者も多いだろう。これは本当にインターネットが向かう方向なのか? 単なるパブリックな分散サービスプラットフォームというだけなのではないか?
しかしこう考えればいいかもしれない。
インターネット(The Net)はコンピュータの通信を物理ネットワークの上で可能にするオーバーレイであるTCP/IPで実現された。今やTCP/IPはコンピュータ通信の基盤である。今度は、その基盤の上に新たな誰もが参加できるネットワークをThe Netの時と同じようなプロセスで作ろうとしている。これがゲルシンガー氏の言うThe New Netだ。
「世界中どこででも均質なサービスを享受できる。そんなネットワークを作るため、インターネットの変革の一翼を担って欲しい。PlanetLabへの参加をお願いしたい」とゲルシンガー氏は呼びかけた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
2
松屋の公式アプリとWebサイトが停止 不正アクセスを検知、モバイルオーダーや弁当予約も使えず
-
3
グッスマ、顧客の2800人のカード番号全16桁+セキュリティコードなど流出か 下4桁は40万枚分
-
4
「PayPay連携の銀行から、お金全部盗られた」被害報告……原因と対策は? PayPayに聞いた
-
5
NEC、委託先の情報漏えいで謝罪 「セキュリティ事業を手掛ける企業として反省」
-
6
ベネフィット・ワンの委託先に不正アクセス セゾン会員向け優待サービスで約2.9万人分の個人情報漏えい
-
7
JALの予約システムに不正アクセス 約9万人分の予約情報が漏えい 一部ではパスポート番号も
-
8
VTuber「兎田ぺこら」グッズにSNSで風評被害→示談成立 「保護者同伴で謝罪などがあったため」
-
9
渦中のGMO、熊谷代表の発信は“火に油”か? 「経営トップが自ら広報」の功罪
-
10
ソニー生命に不正アクセス、個人情報約38.5万件漏えい 氏名や住所、契約内容など
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR