レビュー:劇場がある暮らし――Theater Style
D4パネル最高峰プロジェクター、エプソン「EMP-TW500」の実力(1/6 ページ)
家庭向け液晶プロジェクターの評価記事をこれまで5回にわたって掲載してきたが、年内の透過型液晶プロジェクターレビューは今回が最後となる。その最後を飾るのは、エプソンD4パネルのリファレンス機ともいえるセイコーエプソンの「EMP-TW500」である。
TW500は昨年12月に発売された製品だが、その完成度やレベルの高い画質は、20万円クラスの製品とは明確に異なる。スペック上のコントラスト比は1200:1と控えめだが、実際に映し出す映像は、一般的な透過型液晶プロジェクターの枠を超える高品質なものだ。しっとりとした質感の高い画質は、現時点でも透過型液晶プロジェクター中トップの実力との呼び声が高い。
実売価格もかなり落ち着き、30万円台半ばまで落ちてきており、先週紹介したソニー「VPL-HS50」やXGAクラスのDLPとも比較できるようになってきている。その実力を見てみよう。
200ワットランプの大光量を絞り込み高画質化
TW500は200ワットの大光量ランプを採用している。これはTW200と同じものだが、他社製プロジェクターが130~135ワットの超高圧水銀ランプを用いているのに比べると際だって大きな数字だ。ところがTW200Hが1500ルーメン~500ルーメンの明るさなのに対して、本機は1000ルーメン~350ルーメンと投影像は暗い。他社のD4パネル採用機も、おおむね130~135ワットで800~1000ルーメン程度だから、ランプ光を相当に絞り込んで使っている事がわかる。
本機には電動アイリスが搭載されており、画調モードがシアターブラック時にアイリスが全閉となり、そのほかのモードでは全開となる2段階の動作。だがもっとも明るいダイナミックモードでも1000ルーメンだから、この時点ですでにかなり絞っている。
光の利用効率を無視してまでグッと絞り込むことで光束を整え、それをマイクロレンズアレイ(MLA)とワイドビューパネル付きのD4パネルに当てる。MLAとワイドビューはソニーVPL-HS50でも使われていた技術だ。絞り込んで整えた少ない光をマイクロレンズで集光することで可能な限り通す。つまりMLAは明るくするための技術だが、そのMLAや大光量ランプを使ってまでもTE-AE700やLP-Z3などと同程度の明るさになっているところが高画質化につながっている。
加えて本機にはEMP-TW200Hと同様、光のスペクトラムを整えるエプソンシネマフィルタが搭載され、ダイナミックとリビング、明るい二つの画調モード以外で利用される。
このフィルタは、超高圧水銀ランプの赤が弱く黄緑が強いというクセを整え、純度の高い赤や緑を実現。緑カブリがなく、自然な肌色の階調を可能にする。ランプ光そのものを光学フィルタで整える有利さもあるが、液晶パネルの制御で色調を整えるために液晶パネル駆動の階調分解能を犠牲にする必要がないという長所もある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
5
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR