現実味を帯びてきたサイバーテロとの戦い(2/2 ページ)
「ある意味、われわれは常に攻撃にさらされている」とMCIの技術戦略担当上級副社長、ビント・サーフ氏は語る。「インターネットの素晴らしいところはすべてがつながっていることであり、インターネットの恐ろしいところもすべてがつながっていることだ」
またテロリストグループには、外部からの攻撃が開始できない場合、内部から入るという手段もあるとPA Consulting Groupのロウ氏は指摘する。例えば、送電網制御ネットワークの弱点を知り、会社に不満を持っている電力会社社員を見つければいいのだ。
それが、すべての内部ネットワークの全ホストでアクセス制御を行うべきとサーフ氏が主張する理由だ。「誰に対してであれ、内部と外部という考え方で、大きな権限を与えるべきではない。各ホストがそれぞれにファイアウォールを備え、非常に厳格な認証を行うという形が私のお勧めだ」(サーフ氏)
では、脆弱性に対する米国の姿勢は、他国と比較してどうなのだろうか。
バイヤース氏によれば、重要インフラの防御体制は国によって異なるが、そのレベルはその国の経済と直結しているわけではないという。言い換えれば、必ずしも豊かな国の防御が強固であるわけでも、貧困国の防御が貧弱なわけでもない。例えば、米国のエネルギー市場の自由化はコスト削減を招き、ひいては、セキュリティシステムとサービスに対する投資を含む、投資全体に打撃を与えているとバイヤース氏は語る。
では、それ自体が重要なインフラであるインターネットについてはどうか。
「もちろん、犯罪者がサイバー攻撃を武器として使うなら、テロリストがそうしないわけがない」とInternet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)のセキュリティと安定性に関する諮問委員会のディレクター、スティーブ・コック氏は言う。しかしコック氏は、インターネットの構造は分散型であるため破壊するのは難しいとしている。「世界貿易センタービルが崩れたとき、地域の電話回線は深刻なダメージを受けたが、インターネットの被害は最小限にとどまった」(コック氏)
憂慮すべきは、世界各国の公共サービスや産業インフラが、テロリストが起こすサイバー攻撃だけではなく、会社に不満を持つ社員、さらにはスクリプトキディーが起こす攻撃に対してさえ、脆弱だという点にある。今すべきことは、こうした脆弱性を、手遅れにならないうちに、できるだけ小さくすることだと専門家は語っている。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
陸自が「イオンモール熊本」内部をドローン撮影 防衛省が映像公開
-
2
PayPayアプリで熊本地震への寄付が可能に 最短3ステップ・1円から
-
3
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
4
熊本「通れた道」マップ、トヨタが公開 ホンダも「通行実績情報マップ」
-
5
熊本で非常時Wi-Fi「00000JAPAN」発動中 KDDIが無料開放、他社ユーザーも利用可
-
6
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
7
TSMC熊本工場、段階的に通常操業へ 熊本の地震で一時中断、従業員の無事確認 台湾報道
-
8
Anthropicのミュトス、暗号アルゴリズムの新たな攻撃法を発見――耐量子署名「HAWK」の強度を半減
-
9
“脳のゴミ”は鼻から捨てられていた? 老化で詰まる排出路、薬を鼻から投与で改善 韓国主導チーム研究
-
10
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR