無線LANの5月病? その症状と対策(1/2 ページ)
5GHz帯の無線LAN(IEEE 802.11a)を使用している人は、5月以降は少し注意したほうがいい。新しく買ってきた機材が、今使っている機材と“つながらない”場合があるからだ。ただし、その症状や原因は明解で、既に処方箋を出しているメーカーもあるため、慌てる必要はない。
ことの発端は、情報通信審議会の答申を受け、総務省が昨年11月29日に公表した「5GHz帯の利用拡大にむけて」という資料だった。このなかで総務省は、現在IEEE 802.11aが使用している5150M-5250MHz帯にくわえて、5250M-5350MHz帯を割り当て、屋内に限り使用可能にするという方針を示した。2月9日には省令案を公表し、意見募集を開始。このまま作業が順調に進めば、5月には告示という形で法改正が終了する見通しだ。
現在のIEEE 802.11aでは、5150M-5250MHzの中に20MHz間隔で4つのチャンネルが規定されているが、法改正後は、これが倍の8チャンネルになるわけだ。本来なら、ユーザーやメーカーが歓迎する場面だが、一つ問題があった。
答申では、周波数の追加割り当てに伴い、5GHz無線LANが使用する周波数帯を世界無線通信会議(WRC-03)で分配された世界標準に合わせることを提案している。というのも、日本では隣接する5250M-5350MHzを気象レーダーが使用しており、干渉を防ぐために10MHzのガードバンドを設けていたため。つまり、同じ5150M-5250MHz帯であっても、チャンネル単位でみると、世界標準とは中心周波数に10MHzの“ズレ”があった。
法改正が行われると、その後に出てくる製品は世界標準と同じ仕様になるが、これまでに販売された製品は10MHzズレたまま。同じ「IEEE 802.11a対応」製品であっても、接続できなくなってしまう。たとえば、無線LAN内蔵のノートパソコンを新調したら、自宅の旧型アクセスポイントと接続できなかった――なんて事態になりかねない。「5GHz帯の利用拡大」を目指した法改正で使えなくなってしまったら、まさに本末転倒だ。
だが、慌てる必要はない。答申では、現行の無線設備の取扱いについて「今後の制度化の中で、経過措置を検討する予定」としていたが、その“経過措置”の内容がほぼ固まってきた。
既存製品の対応については、無線LAN機器ベンダーなども交えて検討が進められてきたが、バッファローブロードバンドソリューションズ事業部マーケティンググループリーダーの石丸氏によると、「現行の無線機器に関しては、アクセスポイントがファームウェアのアップデートで、PCカードはドライバの更新という形で、使用する周波数帯のシフトが可能になる見通し。アップデートした無線LAN機器なら、新しい製品との間で4チャンネルの通信が可能になる」という。周波数拡大の恩恵は受けられないが、少なくとも現在と同じ使い勝手は維持できることになる。
無線LAN機器の状況による接続の可否と、使用できるチャンネル数をまとめてみた。
| ー | 現行製品 | 現行製品+アップデート | 5月以降の新製品 |
|---|---|---|---|
| 現行製品 | ○(4ch) | × | × |
| 現行製品+アップデート | × | ○(4ch) | ○(4ch) |
| 5月以降の新製品 | × | ○(4ch) | ○(8ch) |
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