3GSM World Congress 2005
PalmSource CEOはLinuxに未来を見る(1/2 ページ)
スマートフォンOS市場の競争が激しくなる中、米PalmSourceはシェアを切り開く方法を検討している。
先日、同社はスマートフォンに関する専門知識を得るためのみならず、Linuxのノウハウを手に入れるためにChina MobileSoft(CMS)を買収した(12月9日の記事参照)。
同社は仏カンヌで開催の3GSM World Congressで、このCMS買収を活かした4種の新アプリケーションを発表した(関連記事参照)。
IDG News Serviceは同カンファレンス開幕直前に同社社長兼CEO(最高経営責任者)のデビッド・ネイゲル氏にインタビューした。
――PalmSourceは大きな戦略転換を幾つか進め、PDAからスマートフォン、さらにはLinuxへと移行しているようですが、その理由は?
ネイゲル氏 2年前に、ハンドヘルドコンピューティング市場の成長機会が、初代Palm Pilotのようなスタンドアロン型のデバイスから、スマートフォンやBlackBerryなどの、ハンドヘルドコンピュータと通信デバイスの機能を融合した一体型デバイスへとシフトし始めました。われわれは開発の焦点をこの市場に絞り直しました。この市場に将来性を見たのです。
昨年夏、われわれは「Cobalt」というスマートフォンOSを発表しました。Cobaltベースで開発されている製品はたくさんあります。
――Linuxについては?
ネイゲル氏 Linuxの前に、中国の話をさせてください。スマートフォンへのシフトを始めたのと同時期に、われわれは中国に目を向けるようになりました。中国は特にスマートフォンや通信デバイスの分野において、莫大な成長の可能性を秘めた市場と考えています。現在、中国には3億2000万人の携帯加入者がいます。世界最大の携帯電話市場で、毎月およそ500万人が新規に加入しています。
われわれもそのことを理解しました。中国で成功するには、現地での開発と顧客サポートのプレゼンスを高める必要があります。現地に自前の開発部門を設置するか、中国企業を買収するか検討しました。当初は開発部門の設置を考えましたが、難しい上に時間がかかることにすぐに気付きました。そこで、現地の能力ある企業を探して回り、China MobileSoftにたどり着いたのです。買収は(2週間前に)完了しました。
――CMSを選んだ理由は? Linuxに関するノウハウなど、PalmSourceに欠けているものがあったからですか?
ネイゲル氏 CMSには3種の製品があります。1つ目は、マルチメディアメッセージング、WAPブラウザ、電子メール、ゲームなどのワイヤレスアプリケーションです。こうしたアプリケーションは通常、ハンドヘルドコンピュータと電話の機能を併せ持つスマートフォンに搭載されて出荷されます。これらアプリケーションはフィーチャーフォンにも搭載されます。フィーチャーフォンはハイエンドスマートフォンと、電話機能とメッセージング機能を提供するローエンドの基本的な携帯電話の中間に位置付けられています。これはあらゆるアプリケーションを搭載したスマートフォンと似ていますが、閉じたデバイスなのです。ユーザーはフィーチャーフォンを1つのアプライアンスとして購入します。これにはプリインストールアプリケーションが搭載されており、ユーザーが自分で(ソフトを)ロードすることはできません。それにプロプライエタリなOSが使われています。
CMSの製品ポートフォリオの2つ目は、フィーチャーフォンOSです。現在のフィーチャーフォン市場は、実際にスマートフォン市場よりもかなり大規模です。世界で1年間に販売される携帯電話およそ6億台のうち、数億台がフィーチャーフォンです。中国はフィーチャーフォンの最大の市場です。
3つ目はスマートフォンプラットフォームです。これはPalm OSと似ていますが、Linuxカーネルとサービスを基盤としています。これはわれわれにとって興味深いものでした。CMSがLinuxでやってきたことと、われわれがCobaltで進んでいる方向性を見ると、Linuxを将来の製品の基盤に採用することの多大なメリットが見えたのです。
――どのようなメリットですか?
ネイゲル氏 第一に、携帯電話用のオープンプラットフォームを構築した場合、各種のマイクロプロセッサや無線モジュール――いずれも基本プラットフォームへの統合に多数のソフトが必要となります――など、将来に向けた広範な開発を行わなくてはなりません。Linuxの場合は、ドライバの開発に必要な作業は既にできています。多くの半導体メーカーは自社プロセッサのリファレンス移植を行い、これらプロセッサを標準的な組み込みLinuxに統合するためのソフトを開発しています。
――つまりLinuxによって、ある程度の開発作業を避けられるということですね?
ネイゲル氏 通常、プロセッサの最初のリリースはLinuxドライバとともに提供されます。これらのドライバを修正または改善する必要があるかもしれませんが、基本的な作業は終わっているのです。
――メーカーはWindows MobileやSymbian、PalmSourceなどのほかのOS向けにはすぐにこうした作業をやってくれませんよね。
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