劇場がある暮らし――Theater Style
ホームシアターにおける「サラウンドの基礎知識」(2/4 ページ)
さて、ここでよくある話が、スピーカー数を減らせないか?という事だ。設置はスピーカー数を減らした方が行いやすい。残念ながらサラウンドスピーカーを減らすことはできないが、センタースピーカーとサブウーファーは条件と妥協次第では減らすこともできる。
センタースピーカーの主な役割はセリフを再生させること。映像の中央から、ハッキリと聞き取りやすいセリフ再生を行うため、独立したスピーカーを用いる。特に数人で映画を見るといった場合、メインスピーカーから等距離の位置で視聴できない人が出てくるが、センタースピーカーがあれば、どの位置からでも映像の真ん中にセリフが定位する。
言い換えれば、視聴者が理想的な位置で聴くのであれば、センタースピーカーを無くして左右メインスピーカーに振り分けても問題はない(ただしセリフの明瞭度はやや落ちる)。オーディオ好きで高品質なメインスピーカーを既に持っているが、センタースピーカーには同等品質のものを置けない、といった場合は、センタースピーカーを使わない方がクオリティアップになる場合もある。
次に悩むのがサブウーファーだろう。実は低域が多いと思う映画でも、音として普通に聞こえる低音はメインスピーカーなどで再生されている事が多い(スターウォーズなど、例外的にサブウーファーチャンネルを多用するソフトもあるが)。しかし、荒波が船にぶつかったり、地震が起こったり、といった空気を揺らす場面ではサブウーファーが使われる。また前述したような、心理状態をコントロールするための低い背景音なども、サブウーファーが使われる。
極端に言うと、映画用サブウーファーの目的は単純に低音を再生するというよりは、“部屋の空気を動かす”ことで、音楽用サブウーファーとは性質や使われ方がかなり異なるのだ。というわけで、個人的には映画を楽しむことが目的ならば、可能な限りサブウーファーは使う事を勧めたい。
サブウーファーを使わない設定も可能だが、その場合はメインスピーカーにサブウーファーチャンネルの音声が割り当てられる。メインスピーカーの低域再生能力が十分な場合でも、サブウーファーを使った時のような空気の振動は得られないからだ(逆にアパートなどで周囲に気を遣う場合は、サブウーファーを使わない方が迷惑はかかりにくいだろう)。
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