米最高裁、P2P企業の責任追及に懐疑的見方
P2Pソフトを提供しているGroksterやMorpheusに対してユーザーの行動の責任を問うエンターテインメント業界の主張を認めれば、技術企業は著作権法違反に利用される可能性のある新製品の発明に及び腰になってしまうかもしれない――。米連邦最高裁の判事が3月29日、このような見方を示した。
MGM対Grokster訴訟の口頭弁論で、裁判官たちはエンターテインメント業界側の弁護士に対して次々と質問を浴びせ、技術と著作権に関して21年前に確立された基準からそれれば、米国のハイテク業界に大きな影響を及ぼす可能性があると指摘した。この日最高裁ではハイテク関連の訴訟2件について口頭弁論が開かれており、Grokster訴訟はその1つ。もう1つはインターネットケーブルモデムサービス規制問題に関する審理が行われている。
音楽/映画業界側の代理人を務めるドナルド・ベリーリ氏は裁判官に対し、GroksterおよびMorpheus提供企業のStreamCast Networksの事業計画は著作権侵害を前提として成り立っており、GroksterとMorpheusソフトで交換されるファイルは大部分が著作権法に違反していると訴えた。1984年に最高裁が下したソニー・ベータマックス判決は、著作権を侵害しない利用が大多数を占める場合、技術企業は二次的な著作権侵害の責任を免れるという内容だったが、毎月P2Pソフトで交換されている26億本のファイルのうち、Grokster側が合法的なファイルとしてカウントできるのはわずかは数十万足らずだと、ベリーリ氏は述べている。
これに対してスティーブン・ブレイヤー判事は、「P2Pソフトによって『相当の』著作権侵害が可能になっている」というベリーリ氏の主張と、ベータマックス判決とはどう線引きできるのかと疑問を投げかけた。相当の著作権侵害を可能にしている技術を罰する新基準をもし裁判所が認めれば、コピー機やビデオデッキ、グーテンベルグの印刷機も合法でなくなるかもしれないとブレイヤー判事。
デビッド・スーター判事も同じ論拠から、エンターテインメント業界の言い分ではApple ComputerのiPodが著作権侵害を助長しているとの主張も成り立つ可能性があると指摘した。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
5
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR