“IT研究者人生ゲーム”を研究者が開発
研究者もキャリアデザインを――国立情報学研究所(NII)と人工知能学会の研究者で構成する「研究人生を楽しむ会」は4月20日、IT系の研究者人生をシミュレートするゲーム「Happy Academic Life 2006」を開発したと発表した。
少子化の影響で大学教授ポストが減少し、公的研究機関で任期制の採用が進むなど、研究者キャリアの不安定さが増している。一方、若手がキャリアを考える機会は少ないといい、ゲームをプレイすることで、キャリアデザインの参考にしてもらう狙いだ。
人工知能学会創設20周年事業として、30代の若手を中心とした6人の研究者で開発した。プレイ人数は3~5人のボードゲームで、助手からスタートし、理想の教授像というゴールを目指す。
ゴールは、学内で地位を高める「学内政治型」、多くの学生を育てる「教育者型」、高度な論文を発表する「業績卓越型」、ポスドクを一度も雇わずに論文をたくさん書く「悠々自適型」など7種類。
プレーヤーは順番にサイコロを振り、止まった目のカードを引く。カードは「学会」「学内」「資金」「チャンス」「プライベート」の5種類で、例えば学会カードなら「学会理事を頼まれる」、資金なら「補助金をもらう」などと書かれている。
資金を集めたり、学会活動をして「人脈ポイント」を貯めたり、学内活動をして「学内ポイント」を貯めたりしながら論文を発表し、キャリアを積み上げる。ポイントや資金は、新たな研究テーマに着手する際や、昇進時に必要になる。
ただし、それぞれの活動時には「持ち時間」(600時間)を消費する。ポイント獲得と研究活動にかける時間のバランスを取りつつ、学生を育てたり、研究成果を積み上げるなどして理想のゴールを目指す。
開発メンバーは全員ともゲーム制作は初めて。1年かけて開発し、研究者にテストしてもらいながら完成させた。プレイした研究者からは「勉強になった」「面白い」「身につまされる」などという感想が寄せられたという。
人工知能学会誌の5月1日号の付録として配布する。学会員以外も入手できる体制も、今後整える計画だ。
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