インタビュー
「クルマのWeb 2.0」――ホンダ インターナビ・プレミアムクラブ(1/3 ページ)
カーナビは「道案内」を行うデバイスだが、近年の機能向上によって単純な道案内にとどまらず、「快適かつ迅速なルートを案内する」デバイスへ役割を変えつつある。そうなると重要になってくるのが、いかに外部の情報を迅速に取り込み、道案内へ反映させるかだ。
本田技研工業が2002年10月から純正カーナビ対応サービスとして開始している「インターナビ・プレミアムクラブ」は、車側にも通信機器を搭載することで双方向ネットワークを実現し、単なる“カーナビ”を超えたサービスを提供している。
そのサービスが提供しているものと、同社の目指すカーナビゲーションの方向性について、同社インターナビ推進室 室長の今井武氏に話を聞いた。
「正確な交通情報」を伝えるための独自サービス
――まず「インターナビ・プレミアムクラブ」とはどのようなものか、その歴史を含めて教えてください。
今井氏: 自動車などの移動体に通信システムを組み合わせ、リアルタイムに情報を提供するサービス、いわゆる「テレマティクス」と呼ばれるサービスは1997年ごろから実用化が進められてきました。
ホンダ(本田技研工業)も1998年から独自のテレマティクスサービス「インターナビ」を提供しましたが、2000年ごろに会員へ要望点を尋ねたところ、第1位は“もっと正確な交通情報を迅速に手に入れたい”というものでした。
そこで、2002年8月に提供開始したのが「インターナビ・プレミアムクラブ」です。これはインターナビのシステムに通信機能を搭載した純正カーナビを組み合わせることで、オンデマンド型VICSや車両メンテナンス情報を提供したり、ユーザーごとにカスタマイズされた専用ホームページを用意するサービスの総称です。地図データのアップデートもサービスに含まれます。
ちなみに、2002年ごろはテレマティクスサービスが新世代に突入したタイミングで、トヨタ自動車の「G-Book」、日産自動車の「カーウィングス」もこのタイミングで各種の機能拡張を行っています。
インターナビ・プレミアムクラブの利用に際しては純正カーナビを装着したうえで、携帯電話を接続してもらう必要がありますが(2006年2月からは専用PHSカードも用意されている)、2006年3月には会員数36万人を達成することができました。
ここで、日本で最も利用されているテレマティクスサービスである「VICS」について、説明しておく必要があるだろう。
VICS(Vehicle Information and Communication System)は、1996年から提供されているリアルタイム渋滞情報提供システム。高度道路交通システム(ITS)の一環として警察庁や国土交通省などが共同で推進しており、実際の開発と運用は財団法人である「道路交通情報通信システムセンター」が行っている。
VICSは道路上に設けられたセンサーから得られる情報をセンターで集計、FM波や道路上の発信器(ビーコン)で車へ送信する。近年発売されたカーナビはほとんどが対応しており、その数は累計で1400万台以上(2005年度末)にのぼる。ただ、このVICSにも弱点がある。
当然ながらセンサーの設置されていない道路の混雑状況はわからないほか、システムの関係上、提供される情報は最大でも県単位(光ビーコンでは前方30キロメートル、電波ビーコンでは前方200キロメートルまでの情報が提供される)になっている。
また、VICSには車線という概念がない。そのためにジャンクションなどで、A方向へ向かう車線は空いているのに、混雑しているB方向への車線情報を取得してセンターで処理してしまい、結果として“ジャンクション全体が渋滞している”という情報を配信してしまったりする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR