レビュー
手になじむ曲線デザインの光学4倍ズーム機――「IXY DIGITAL 800 IS」(1/5 ページ)
IXY DIGITALシリーズといえば、デザインへのこだわりが見どころのひとつだ。そもそもデジタルになる前の、APSフィルムカメラのIXYの時代から「ボックス・アンド・サークル」というテーマを掲げ、四角いボディに対して、レンズの周辺を大きな円で縁取ったデザインを採用している。その基本イメージを維持しながら、これまで様々なバリエーションを展開してきた。
大きく変わったのは昨年発売の「IXY DIGITAL 600/700」だ。「カーバチャーデザイン」と呼ぶ造形技術によってボディ全体に柔らかいアールを与え、ボタンなどの操作部のエッジをすべて曲面で構成した個性的なフォルムを実現した。照明の当て方によって、曲面に微妙な陰影が生まれることや、手にしっくりとなじむことがカーバチャーデザインの魅力である。
そして今春発売の「IXY DIGITAL 800 IS」では、IXY DIGITAL 600/700のなめらかな形状を受け継ぎつつ、カラーリングにさらに工夫を凝らした。ボディを3つの層に分け、前面はやや青緑色を混ぜたシルバーで、背面の液晶の回りはツヤのあるブラックで、その中間部から側面にかけてはやや赤みのあるシルバーでそれぞれ仕上げている。
デザインには好き嫌いがあるので、中には伝統的な四角いIXYスタイルを好む人もいるだろう。だが私としてはIXY DIGITAL 800 ISのデザインは非常に面白いと思う。特に、複数のパーツがパズルのように組み合わさり、そのつなぎ目が複雑なラインを描いていることや、前からと後ろからとでは見た目の印象が異なること、ストラップリングや電池カバーなどの細部まできっちりとデザインされていることなどが気に入った。
まったく不満がないわけではない。半分埋め込んだモードダイヤルは右手親指をちゃんと置くための工夫であり、デザイン的な見栄えもいい。だがダイヤルがやや固く、モード切り替えがやりにくい。また、前面のレンズ周りのシルバー部分には指紋が目立ちやすく、液晶周辺部のブラックの部分にはキズが付きやすい。
シャッターボタンについては高く評価したい。近ごろの薄型軽量のデジカメでは、ボタンの形状が四角になったり、面積が小さくなったりして、押しにくくなる傾向があるが、IXY DIGITAL 800 ISは比較的面積の大きな丸いシャッターボタンを採用し、位置や押した感触がちょうどいい。
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