“パンダスーツ”を見てきた
映画やテレビの企画製作を手がけるビルドアップが法人向けにレンタルを開始したアニマトロニクススーツ(着ぐるみ)「ハイクオリティ・スーツ」の第1弾が「パンダスーツ」。映画やCM、テレビ撮影など多目的に使用できる汎用の着ぐるみとしては類を見ないほど精巧だという“パンダ”を見てきた。
実際に見たパンダスーツはその体型や毛皮も非常にリアル。胴体には適度な丸みがあり、あたかも本物のよう。とても中に人が入っているような感じはしない。着ぐるみというと、どうしても中に人がいることを意識させてしまうが、パンダスーツは演技者がインナースーツを着用したうえで、毛皮を装着する二重構造とすることでこの課題を克服しているのだという。
「最大の特徴はインナースーツと毛皮を組み合わせた2層構造です。演技者の動きやすさを確保するほか、インナースーツと毛皮の間に適度なアソビを作ることで動物らしい体形を作り出しています」(同社)
毛皮はハリウッドの映像作品にも使用される素材を利用している。1000万円以上というパンダスーツの制作費のうち、半分以上をこの毛皮の費用が占めるというから驚き。実際に触れることはできなかったが、見る限りではとても着ぐるみとは思えない質感だ。
動物らしいリアルさを追求するためには豊富な表情も欠かせない。パンダスーツは目/まぶた/まゆ毛/耳/口/上唇/下唇の各所に合計14個のラジコン用サーボモータを搭載、多彩な表情を作り出せる。まぶたは上下独立して操作できるので、ウィンクも可能だ。表情の操作は内部の演技者ではなく、スタッフが3人がかりで行う。
頭部には演技者が外部を確認するためのCCDカメラも搭載されている。カメラの映像は演技者が装着したグラストロンに映し出される。パンダの顔にのぞき穴があっては台無しだからだ。ただ、CCDカメラは眉間に装着されているため、鼻が邪魔になって足元は見にくいそうだ。
頭部は軽量なFRPとアルミを中心に構成されているが、14ものサーボモータとCCDカメラを搭載した影響もあって「結構重たい」(同社)とややトップヘビーな様子(モーターやカメラの駆動用バッテリーは背中部分にレイアウトされる)。暑さも含めた演技者への負担もあって「演技は20分が限度」とのこと。また、パンダのように4本足歩行と2本足歩行を行う動物の場合、首の可動範囲をどのように作り込むかは非常に難しく、そこは課題として残っているのだという。
映画など特定用途は別として、従来ここまで精巧な汎用の着ぐるみを製作することは前例がないという。今回はテレビの企画(NHK教育の「天才テレビくんMAX」)とのコラボレーションで製作が実現したと言うが、パンダのほかにも宇宙服やゴリラやクマなどへの需要もあるそうで、今後も機会があれば「ハイクオリティ・スーツ」のバリエーションを増やしていきたいそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR