BDソフトの本命、最新PHLエンコード画質の衝撃(1/3 ページ)
松下電器産業が先日北米で発表したBDプレーヤー「DMP-BD10」で、Sony Pictures Entertainment(SPE)の初期7タイトルを試聴する機会に恵まれた。先日リポートした「VAIO Type A」によるソフトウェアBDプレーヤーでの画質がBD初期タイトルの画質を正しく表現できていているかに疑問を持ったからだ。
試聴は、大阪・門真市にあるAVC社の試写室にて、65インチフルHDのビエラ「65PX500」に同プレーヤーを接続して行った。
結論から言えば、初期7タイトルへの印象は大きく変わってはいない。
しかしながら、今回の取材では同社が米カリフォルニア州に持つパナソニックハリウッド研究所(PHL)開発の最新H.264 High-profileエンコーダによる映像を確認できた。すでにその実力はCESにおける松下ブースの映像で確認していたつもりだったが、その当時よりも低いビットレートで、さらに良い画質を実現している。
前回のリポートでは、HD DVDソフトの「Last Samurai」や「オペラ座の怪人」は85点、BDソフトの「Underworld」は90点……と書いてしまったが、PHLの映像を見てしまうと、もう少し点を辛くせねばならないと思うほどだ。同じ基準で採点するならば120点ぐらいを与えなければバランスが取れないかもしれない。
18Mbpsで“見た目はロスレス”のレベルに
PHLエンコーダで圧縮した映像は、いずれも実際の映画から切り出してエンコードしたもの。これらタイトルは、いくつかのWebサイトにはBD向けタイトルとして記載されているが、まだ映画スタジオからの正式発表がないため、ここではスタジオ名、タイトル名ともに明かすことができない。
しかし“次世代らしい”映像を求めているならば、決して期待は裏切らないだろう。CGアニメからSF、戦記ものまで、さまざまなタイプの映像を見たが、どれもマスターのクオリティが最高レベルというだけでなく、圧縮しているかどうかの判別が難しいほどに美しい圧縮に仕上がっている。
CGアニメの場合はフィルム粒子が存在しないため、コンピュータ上でレンダリング結果をそのまま見ているかのような錯覚に陥る。ブロック歪みはもちろん、切り落としたようにシャープな輪郭の周囲にも、余分なシュートやノイズ類は全く見られない。圧縮しやすい素材とはいえ、全く驚くほどのクオリティだ。
圧巻は戦記物の一本。鎖帷子を構成するリングの一つ一つが明確に描かれた上、その汚れ具合、微妙な表面のディテールが浮かぶ。その上、ギラギラと各リングに光が反射しているなど、MPEGが不得手とするシーンを抜き出したかのようなクリップだ。ところが、鎖帷子の描写はもちろんのこと、戦士の顔の汗、日焼けの具合、目の中に宿る力感など、あらゆる情報が一切の雑味を伴うことなく画面に溢れ出てくる。
クリップはその後、万単位の軍勢が平原で対峙するシーンへと移っていくが、ここでも歪み感、ノイズ感を、何度見ても感じさせない。実はこの映像の前にSPEの初期BD7タイトルを試聴していたせいもあるだろうが、あまりの違いに唖然としてしまった。良い評価を与えていたUnderworld:Evolutionすら見劣りする。
ほかにもいくつかのサンプルクリップがあったが、いずれもCESで絶賛された同じくPHLの平均20Mbps VBR(最大40Mbps)によるH.264 High-profileによる映像よりも、今回の方が明らかに進化している(念のため、CES時の映像も見せていただいた)。
にも関わらず、実はビットレートは平均16~18Mbpsへと抑えられているというのだから驚きだ。前述した戦記物に関しては、MPEG-2との画質比較用に15.5Mbpsで製作されたものだという。“見た目にはロスレス”といっても嘘にはならないレベルである。手元にある特別にハイビットレート(詳細不明だが30Mbps以上と見られる)で製作されたデモ用のMPEG-2のフルHD映像よりもさらに良い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
携帯各社、熊本の一部で通信障害 震度7の地震で 他社回線につながる「JAPANローミング」開始【追記】
-
8
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
9
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR