男たちの闘い
「エアロソアラ」が天(井)を舞った日(1/2 ページ)
男なら、誰でもラジコンの飛行機やヘリコプターに憧れる時期があるだろう。大人になると、高嶺の花だった高価なラジコンにも手が届くようになり、購入した人たちもいるはず。しかし、何かと物入りで忙しい毎日を送る中、子どもの頃の憧れを心の奥底に封印してしまった人のほうが多いのではないか。
今回は、そんな大人達に知ってほしいIR(赤外線)コントロールプレーンのお話だ。重量わずか3.5グラムの軽量な機体に携帯電話用の小型モーターを搭載し、室内で手軽に楽しめる、タカラトミーの「エアロソアラ」である。
思い起こせば昨年秋、トミー(当時)商談会で初めてエアロソアラのデモンストレーションを見て、その軽快な動作に心奪われた。そして2100円というリーズナブルな予価(当時)。室内限定とはいえ、自分の意志で動かせる飛行機が2000円台で手に入るのだ。
もちろん、予約受け付けが始まると同時に予約した。途中、発売延期など、ちょっとした紆余曲折もあったが、ついにエアロソアラは離陸。見た目も動きも参考出品のときとほぼ同じだ。価格は予価よりも数百円高くなったが、大人は動じない。食後の缶コーヒーを2~3本減らせばいいだけだ。
かくして、発売当日に「カブキッドホワイト」と「バーゴッドブラック」の2機が編集部に届いた。ほどなく、某編集長が予約していた2機も到着。4機も並ぶと、ちょっとした大人買いの気分だ。
会議室を大空に
エアロソアラは赤外線コントロールだが、A/Bの2チャンネルが用意されている。各モデルはA、Bいずれか専用で、コントローラの色が違えば2機同時に飛ばすことができる。となれば……男の子にはバトルしかない。
今回も編集部の垣根を越え、5人の自称精鋭たちが集まった。上司も読んでいるので実名は避けるが、いずれも仕事の遅れなど気にしない、剛の者たちである。闘いの舞台は、人目を避けてエアロソアラを飛ばせる広さの会議室。ちなみに会議室を予約する際の名目は「撮影」だった。
「キドカラー号」のときと大きく異なるのは、エアロソアラが完成品の状態で梱包されていたことだろう。期待に胸を膨らませて箱を開けると、まるで昆虫標本のように段ボールで固定された「エアロソアラ」が出てきた。段ボールは四方を台座に差し込まれ、裏側からテープでがっちりと固められている。
厚さ数ミリの発泡スチロール製の機体に触れないよう、裏側から、そろそろとセロテープを剥がす。ここで短気を起こすと機体を破損してしまう可能性が高い。コントローラも取り出し、背面のネジを外して単三形乾電池×3本を投入したら準備完了だ。なかなか飛べる状態にならなかったキドカラー号のときとは大違いである。会議室が楽勝ムードに包まれた、最後の瞬間であった。
改めてエアロソアラを眺めてみると、非常に軽量にできていることがわかる。モーターは、まるで小さなストローのようなサイズ。主翼の根本に取り付けられており、プロペラに繋がる直径2センチほどのギアを一生懸命回す。
機体の中心(重心)には赤外線受光部とコンデンサー(小さな蓄電池のようなもの)が一体化したユニットがあり、その下に充電用の平型端子が飛び出していた。これをコントローラ上部にある充電用端子に差し込み、約40秒間充電すると、30秒間の飛行が楽しめる。
30秒というと短すぎると感じるかもしれないが、そんなことはない。3メートル四方の室内なら何十回と旋回できるはずだし、高度な技を繰り出す時間もあるだろう。なにより、われわれの場合、最初は3秒と飛ばなかったのだ。
リリースしたそばから原因不明の急下降。モーターフルスロットルでも急下降。なんだかよく分からないが急降下。逆に勢いをつけて壁や会議テーブルに激突する。機体が軽く、一度や二度で損傷することはないが、ついに一機はスチロール製のフレームが折れてしまった。まあ、某編集長の機体だったので良しとする。
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