麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
フルハイビジョンの真実(3/4 ページ)
――本当の意味での“フルハイビジョン”とは?
麻倉氏: それは単にフル画素というだけではなくて、コントラストも“フル”、階調性も“フル”、色再現性も“フル”、ディテールの再現性も“フル”……、という具合にフルの意味がそれぞれ違うのですが、画質の円を書くと、すべての円形がおおきくなるようになってもらいたいですね。その意味では、まだ詳細にはチェックしていないのですが、松下のフルハイビジョン4兄弟はかなり期待しています。従来機のPX600シリーズでも、コントラスト、階調性、色再現性など画質の各要素が非常に高いレベルに達していたのですが、画素数だけが足りなかったのです。
――フルハイビジョンの50V型で実売60万円前後という価格もかなり驚きました。
麻倉氏: 松下の強みは、安くすることにプラスして製品に価値をつけていけることですね。垂直統合による圧倒的な製品開発力で、従来比で画質を向上させつつ、値段を安くできるのです。50V型のフルハイビジョン化により、液晶陣営に対して、大画面市場でのプラズマの優位性を宣戦布告したのでしょう。
ただし、こうなってくると辛いのはパイオニアでしょうね。50V型のフルハイビジョン対応プラズマディスプレイ「PDP-5000EX」は、モニタータイプ(テレビチューナー非搭載)で実売105万円前後ですから。松下は“液晶叩き”をしたつもりでしょうが、結果的に“パイオニア叩き”になってしまいました。もっともパイオニアに関しては、大衆路線ではなく、「品格のある画質のスペシャル・ディスプレイ」という高級路線で勝負していくべきでしょう。
――松下のフルハイビジョン4兄弟では、600万円の103V型も視線が集まっています。
麻倉氏: 今年初頭の最大の話題だったのが、松下の103インチでした。それまでの松下に欠けていた“世界最大”の称号が、これによってもたらされたのです。私が初めて遭遇したのが、今年のラスベガスでのCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でした。CESは「大画面オリンピック」の会場で、2004年は韓国のサムスン電子が80インチで、2005年は同じくサムスン電子が102インチで、世界最大のディスプレイの栄冠を獲得していました。今年は松下電器がゲットしたのですね。1月4日に開催された中央ホールのブースでの記者会見会場には、右の壁に、白いヴェールが被ったプラズマテレビらしきものがあり、これは怪しいと私は、その近くに席を取ったんです。冒頭で、アメリカ松下電器の山田会長に紹介されて、ヴェールが外されると、そこに出現したのがなんと103インチのプラズマテレビでした。会場からは驚きの声があがったものでした。
麻倉氏: この“世界最大”は、50インチPDPを4面取りするマザーガラスを使って作られているのですが、プラス数インチは、マザーガラスのミミ(マージン)の部分まで使い切ることで実現しているのです。その開発力にも驚きますが、これを売るということの決断もすごいと思います。その価格については、CESでのインタビューでは10万ドルか5万ドルかで検討していると言っていましたが、後者できたことからも売る気十分ですね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
2
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
3
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
4
デジタル庁に不正アクセス、個人情報24.6万件漏えいか 各府省庁の職員情報など
-
5
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
6
iPhone 18シリーズ発表、今年はPro・Pro Maxのみ なんと“無印”なし 価格は21万9800円から
-
7
「iPhone Duo」発表 Apple初の折りたたみスマホ 36万4800円から
-
8
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
9
「ペンギンを返して」 Suica新キャラ候補3案公開でSNSに戸惑いの声 一般投票は8日から
-
10
「すばやさがあがるリュック」など……ドラクエ商品予約にアクセス集中、エラー連発→完売 グラニフ謝罪、追加受注へ
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR