レビュー
撮ることを楽しめるデジ一眼――松下「DMC-L1」(1/3 ページ)
デジタル一眼レフ機の今の売れ筋は、レンズキットで実売10万円以下の製品だ。オリンパス、キヤノン、ペンタックス、ニコンといった老舗カメラメーカーに加え、ソニーがこのジャンルに参入したことで競争はますます激化。ちらほらと噂が聞こえる秋の新製品の動向も含め、今もっとも熱い市場である。
しかし、ソニーと同じく新参の松下電器産業はこの激戦区をあえて避け、独自の戦略を選んだ。7月に発売した同社初のデジタル一眼レフ機「LUMIX DMC-L1」はレンズキットのみの発売となり、実売価格は25万円前後と少々高め。エントリー層ではなく、写真や撮影にこだわる愛好家層をメインターゲットにしている。
アナログ感覚とデジタル技術の融合
メーカーの人は「台数シェアを追うことはしない」と宣言しているが、DMC-L1は爆発的に売れるカメラとは思えない。価格面だけでなく、操作性に取っ付きにくい面があるからだ。例えば、絞りやシャッター速度をそれぞれ手動で調整するアナログ風の操作感は、オート主体で気楽に使いたい人にはわずらわしく感じるだろう。
だが、好きな人にとっては、このアナログ操作こそがDMC-L1のいちばんの魅力だ。絞りとは絞り羽根を動かして光を遮る機構であり、シャッター速度とは光が当たる時間のこと。そんなカメラの基本中の基本を、レンズ鏡胴部にある絞りリングを回したり、シャッターボタンの回りにあるシャッター速度ダイヤルを動かすことで、実感としてイメージしながら操作できる。今どきの他のカメラ、つまりボタンまたはダイヤル+液晶表示の操作性ではこうはいかない。
ノスタルジックな操作系を取り入れる一方で、ライブビューというデジタルならではの機能が同居している。このライブビューがまた、くせものである。ライブビューモードに切り替えた時や、シャッターボタンを押した瞬間には、内部のミラーがバタバタと動く。ちょっと挙動不審な動きであり、コンパクトデジカメのようなライブビューを期待した人には戸惑いが残るだろう。
だが、一眼レフ機にはミラーがあり、撮像素子に光を当ててライブビューを実現するには、ミラーアップしなければならない。さらにAFセンサーを作動させるには、いったんミラーダウンする必要もある。といった構造を考慮すれば、この動きも仕方ないと納得できるし、タイムラグがあるとはいえ、弱点を補って余りあるメリットを感じるはずだ。
こうした一筋縄では行かない操作そのものを味わうことが、DMC-L1を使う面白さである。私としては、スピードや効率が要求される仕事用に使うには多少勇気がいるが、休日に趣味として撮影を楽しむ用途にはぜひ使ってみたい。ほかにはない個性が際立っていて、惚れた人にはとことん愛着が持てるカメラ。アクが強く、使う人を選ぶカメラといってもいい。
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