Office 2007にアップグレードした方がいい?
10カ月前のこと――ようやく、少し自由な時間ができた。この先の時間節約のために何か今やっておけることはないだろうか? そうだ! Microsoft Officeの新版が年末にリリースされるんだった。Officeには目新しい点など特にないのだから、これまでOfficeについて書いたコラムから適当に抜粋して、今のうちにコラムを用意しておこう。そうだな、ええと、「これまでのバージョンと特に変わらない」「本当に意味のある最後のアップグレードはOffice 97だった」「企業はこれまでのバージョンを使い続けた方がいい」という部分は使いまわせそうだ。これに、少し新しいことも加筆すれば、ほら、Office 2007のリリースに関するコラムの完成だ。これで、年末商戦期の買い物も早めに楽しむ時間が取れそうだ。
そして、今日――ああ、まったく。よく言われるように、世の中、計画通りにはいかないものだね。当然といえば当然だ。Microsoftは過去の戦略に固執し、ほとんど改善を施さないままOfficeを提供することもあれば、180度方針を変え、同社のコアとなるプロダクティビティスイートにとって本当に重要なアップグレードを提供することもあるだろう。そんな場合は、企業もアップグレードを検討すべきだ。
そして実際、Office 2007はこれまでのバージョンと比べて大幅な改善版となっている。新しいユーザーインタフェースの「リボン」や新しいファイルフォーマットといった大きな変更点から、各種の小規模だが有用な使い勝手の改善まで、Office 2007はMicrosoftにとって、ユーザーがコンテンツを作成、編集、管理する方法を大きく変える初めての試みとなっている。
わたしとしては、Office 2007の各種βやRTMコードを使ってみた結果、アップグレードを行うつもりでいる。
リボンについては大いに注目され、認識もされているが、これは間違いなく好き嫌いが分かれるところだろう。わたしはだいたい気に入ってるが、ときどき厄介に思うこともある。だが、レイアウトやデザイン、高度なExcel機能など、そのほかの点では、オプションが明確に提示されるのが非常に便利で、これまではこうした機能もなしにどのように作業していたのかと不思議に思えるくらいだ。
だがリボンは、使い勝手の改善のほんの一部にすぎない。Office 2007では、小さな変更点や改善点が全体に散りばめられている。おそらく、これまで何年もの間にユーザーから寄せられた苦情や提案を集めたものなのだろう。こうした変更点や改善点は、Officeの日常的な使用をより容易で高速なものにしてくれている。
これまでのところ、わたしが最も気に入っているのは、おそらく多くのユーザーにとっては些細な変化にすぎないような変更点だ。その変更点とは、「プレーンテキストとしてペーストする」がデフォルトとなるようにWordを設定できるようになった点だ。これは、わたしが常々、なぜそうできないのか不満に思っていた点でもある。
これまでのコラムでも述べてきたように、IT部門の多くは大幅に刷新されたOffice新版に移行するためのトレーニングに手間が掛かるのではと懸念している。リボンやら、メニューオプションの各種の変更点やらを目にして、混乱したユーザーからの問い合わせの電話が何カ月も続くのではと心配しているのだ。
もちろん、トレーニングの問題は生じるだろう。Office 2003のときも、トレーニングをめぐる問題が幾つか生じた。Office 2003はその前のバージョンからそれほど大きく変わっていなかったにもかかわらずだ。常識的に考えれば、トレーニングの問題はOffice 2007の方がもっと深刻になることが予想される。
だが、わたしは必ずしもそうは思っていない。ときには、前バージョンとの違いが少ない場合の方が、かえって、新しいインタフェースのトレーニングが難しい場合もある。自分が思っているような方法でアプリケーションが機能しない場合の動揺が大きいからだ。一方、Office 2007の場合はインタフェースが大幅に変更されているため、ユーザーはこれまで通りの方法では通用しないであろうことを直ちに理解し、おそらく、より素直にトレーニングを受け入れ、新しい使い方を学ぼうとするだろう。
さて、Office 2007についてだが、これは「絶対に必要なアップグレード」とは言えない。あなたの会社がOfficeの旧バージョンや競合スイートで問題なく機能しているのであれば、わざわざ変更することはないだろう。だが、絶対に必要なアップグレードではないにせよ、Office 2007には「アップグレードするだけの価値がある」のは確かだ。
この先何年かして、わたしがまたOfficeについて何かコラムを書こうというときには、過去のコラムからコメントを抜粋し、1点変更を加えることになりそうだ。未来のコラムには、おそらく次のように書くことになるだろう。「本当に意味のある最後のアップグレードはOffice 2007だった」と。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR