レビュー;
サウンドは魅力、サイズに課題――ビクター「HP-NCX77」(2/2 ページ)
同社の測定によれば周囲の雑音を約1/5に低減するというノイズキャンセルの効果はどうだろうか。
まずは音楽を流しながら室内で装着、NCのスイッチをオンにしてみた。スイッチを入れた瞬間は一瞬だけダイナミックレンジが変化したことが知覚できるが、その違いは非常に小さく、注意していなければその差には気が付きにくい。アクティブノイズキャンセリングを行う製品では必ず発生する、「サー」という動作音も非常に小さい。利用していると室内で稼働する空調やPCのファンの音は確かに低減されることが分かるが、大幅にカットされるという感覚はない。
地下鉄構内と地下鉄車内でも試用してみた。地下鉄の加速音やホームに入線する際の空気音など、通勤時に感じる周囲のノイズは確かに低減されたが、その効果は控えめ。周囲のノイズを完全にカットするというというよりも、ノイズを低減して、音楽を聴きやすくするというキャラクターを持つ製品であるように感じた。
これは同社製オンイヤータイプの「NP-NC80」(レビュー)でも同様の傾向を示しており、ボーズのQuiet Comfort2/3のような強力なノイズキャンセリング機能を期待するとやや肩すかしを食らったように感じるかも知れない。
8.5ミリ径のドライバーを搭載したイヤフォンユニットのサウンドは非常に素直。本製品のように外出先での利用を念頭にしたイヤフォン/ヘッドフォンは低域の厚みを強調する製品が多い中、本製品は高音域の解像感や繊細さ、伸びを重視した作りになっており、全体としてはクセのない音を出す。
低音にも厚みはあるが、高域のきらめきに比べると相対的に中域の落ち込みを感じる場面もあり、ジャンルとしてはジャムやフュージョン系にマッチしそうだ。なお、NCのON/OFFにかかわらず、その音質がさほど変化しなかったことも付記しておく。
万人に勧められるサウンドだが、ユニットサイズは課題
前述したように昨年後半から多種多彩な製品が登場しているノイズキャンセリングヘッドフォン/イヤフォンだが、小型のヘッドフォン/イヤフォンを組み合わせる製品はそう多くない。本製品のほかには、ソニーの「MDR-NC22」やJBLの「JBL Reference 510」、ボーズの「Quiet Comfort3」があるくらいだ(MDR-NC22はカナル型イヤフォン、JBL Reference 510とQuiet Comfort3はオンイヤー型ヘッドフォンを組み合わせる)。
言うまでもなく小型のヘッドフォン/イヤフォンを採用する製品の一番のメリットは、利用時に置ける軽快さ、取り回しの容易さだ。そうした点を考慮すると、本製品のNCユニットサイズは明らかに大きすぎる。特にフラッシュメモリタイプのポータブルプレーヤーは小型化・薄型化が進んでおり、プレーヤーより大きなNCユニットというのは携帯時に戸惑いを覚えてしまうユーザーが多いだろう。
音質面については満足できる仕上がりとなっており、そのクオリティを保つためにユニットサイズが小型化できなかったのかも知れないが、携帯製品としてはボディサイズが大きいだけで敬遠してしまうユーザーもいるだろう。次製品ではNCユニットの小型化を強く希望したいところだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
9
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
-
10
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR