KDDIとマイクロソフト、SaaSで包括提携
KDDIとマイクロソフト(MS)は6月27日、法人向けSaaS(Software as a Service)事業で包括提携したと発表した。KDDIの固定・携帯インフラとMSのサービス基盤を組み合わせ、PC・携帯でシームレスに利用できるビジネスアプリケーションをネット経由で提供するほか、法人向けアプリ提供企業をパートナーに迎え、パートナーのアプリケーションも同じインフラに載せて提供する。10月に共同ブランドを立ち上げてマーケティングを始め、来年3月からサービスを始める。
SaaSは、ソフトウェアをネット経由でオンデマンド提供する従量課金制のサービス形態。ASPと同義とされる場合もあるが、両社のSaaSは「複数のアプリケーションを共通のプラットフォームで提供でき、インフラやアプリの提供から運用、サポート、課金までワンストップで行える点が特徴」(KDDIの田中孝司常務)という。
プラットフォームには、デバイスを横断したサービスを構築できるMSの「Connected Services Framework」と、情報共有ツール「Solution for Hosted Messaging and Collaboration」を活用。ネット・携帯インフラと決済・課金システムなどはKDDIが提供する。
まずは10月に共同ブランドを立ち上げてマーケティング活動を開始。来年3月から、「Outlook」の各機能をauの携帯電話で利用したり、会社のメールアドレスをそのままau携帯でも利用できたりする「ビジネスコミュニケーションウェアサービス」の提供を始める。
KDDIが開発を表明しているスマートフォンが利用できそうなサービスだが、田中常務は「スマートフォンについてはさまざまな報道があるが、時期が来たら発表する」として言及を避けた。
パートナー企業にプラットフォームを提供する「SaaS Support Program」(仮称)は、今年10月に始める。パートナー企業が開発した顧客管理ソフトや会計ソフト、営業支援ソフトなどといったビジネスアプリケーションを、両社が構築したプラットフォームを通じて提供できるようにする。
すでに大塚商会、オービックビジネスコンサルタント(OBC)、京セラコミュニケーションシステムなど7社が、サービス提供/販売パートナーとして参加することが決まっている。
「中小企業中心に、ソフト利用はSaaS型へ」
サービスの主なターゲットは、これまで両社の営業マンがカバーし切れなかった中小企業だ。「中小企業を中心に、コミュニケーションサービスはSaaS型に移行していくだろう。いち早くサービスを立ち上げ、市場を切り開いていきたい」と田中常務は意気込む。
MSの樋口泰行COO(最高執行責任者)はKDDIをパートナーに選んだ理由を「固定、携帯と両方のインフラを持ち、法人営業力も強い」と説明する。
KDDIの方向性は「Software + Services」というMSの方向性にも合っていたという。「Software + Servicesは、パッケージソフトと、SaaSのようなネットサービスを適材適所に配置していくという概念。パッケージソフトはレスポンスが良かったり自社でカスタマイズできたりするが、中小企業では人材不足でうまく利用できないこともあった。SaaSはこれをカバーでき、日本の競争力向上に貢献できる」
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