山本浩司の「アレを観るならぜひコレで! 」Vol.5
「プレステージ」のHDオーディオをパイオニア「SC-LX90」で(2/3 ページ)
リニアPCMとドルビーTrue HDを聞き比べる
「プレステージ」は、19世紀末のロンドンを舞台に、大がかりな装置を使いこなす2人の若いマジシャン(ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベイル)の魂の相剋を扱った作品で、原作は、世界幻想文学賞に輝いたクリストファー・プリーストの「奇術師」。マジシャン2人が互いに繰り出す瞬間移動のトリックの探り合いを、ケレン味たっぷりの演出で描いていく。
監督は、「メメント」「インソムニア」「バットマン ビギンズ」のクリストファー・ノーラン。時間軸を一度解体し、映画的都合に合わせて時制を再構築していく独自の演出スタイルが興味深い。何度か観返すうちに、新しい面白さが発見できるその作劇法は、本を読むように映画を楽しみたいというホームシアター派にピッタリだろう。
さて、このBDソフトで注目したいのは、5.1chのオリジナル音声が、リニアPCMとドルビーTrue HDの両方で収められていることである。リニアPCMは、非圧縮の48kHz/16ビット/5.1ch。ドルビーTrue HD は、圧縮解凍時に情報欠落することなくオリジナルのPCMデータに完全に戻るというロスレス・コーデックだが、そのオリジナルPCMデータは、48kHz/24ビット/5.1chである。
SC-LX90の聴かせるサラウンドサウンドの最大の特徴は、音がスピーカーにまとわりつかない、音離れのよい、浮遊感のある音場表現にある。わが家では、フロントスピーカーに15インチ・ウーファーを採用したJBL の大型ホーン・スピーカー「S9800SE」を、サラウンドスピーカーにリンの小型スピーカー「UNUK」を4本使った6.1ch システムを組み上げているが、そんなサイズも形式も異なる組合せでも、非常にまとまりのよい濃密なサラウンドサウンドを実現できることが確認できた。やはり、この冬最高レベルのサラウンド表現力を持ったAVアンプであることは間違いないだろう。
とくに、同社が培ってきた自動音場補正機能「MCACC」を用いて、フロントスピーカーの周波数特性をターゲットカーブにしたEQ(イコライザー)をかけてみると、非常に緻密で雄大なサラウンドサウンドを聴くことができた。
そんなキャラクターを持つSC-LX90で聴き比べる「プレステージ」のリニアPCMとドルビーTrue HDの音の違いが興味深い。
パイオニアのBDプレーヤー「BD-LX80」と本機をHDMI接続し、ドルビーTrue HDのビットストリーム出力を受けて本機でデコードしてみたが、リニアPCM音声に比べて、各チャンネルの音のつながりがより向上し、天井の高さ、空間の広がりが強く印象づけられる音となる。とくに実在の伝説の電気技師、ニコラ・テスラが発明したマシンによる放電風景のダイナミックなサラウンドサウンドは、ドルビーTrue HDの音の魅力をひときわ鮮やかに伝え、印象深い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
携帯各社、熊本の一部で通信障害 震度7の地震で 他社回線につながる「JAPANローミング」開始【追記】
-
8
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
9
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR