“ギャルゲー3D仮想世界”を生活の拠点に――ドワンゴの戦略(2/2 ページ)
ai sp@ceのSecond Lifeとの違いは「徹底したセグメント化に尽きる」と太田副社長は言う。美少女ゲームファンに特化することでユーザー層を細かく限定。結果的に女性を切り捨て、マーケットも30万人程度とみるが、それだけ濃いコミュニティーが構成できると展望する。
Second Lifeには、一般のMMORPGのように、ほかのユーザーと一緒に敵を倒したりクエストをクリアする、といった目的がなく、「何をしていいか分からず、すぐ飽きる」とも指摘されていた。ユーザーの属性も国籍もばらばらで、体験も言語も共有しにくい場だったと、太田副社長は分析する。
対するai sp@ceには、すでに同じゲームをプレイした共有体験を持つユーザーが集まる上、その世界観はアニメやゲームなど別メディアでも展開されており、ai sp@ceの“外”のネタでユーザー同士が盛り上がることもできる。運営側も、イベントを主催したり、クエストを設定して新たなネタを投入する。
加えて、ユーザーが美少女キャラ(「キャラドル」と呼ばれる)の動きやせりふを自由に作ったり、キャラを使った動画やゲームを作成することも可能。こういった機能がユーザーの創作意欲を刺激し、ユーザーからも“ネタ”が投入されると見る。
ユーザーの自由度を最大限に高め、コミュニティーに参加している感覚や、自ら世界を創っている感覚を味わってもらう――「ニコニコ動画」で培ってきたコミュニティー運営のノウハウをいかしていく。ニコニコ動画とIDを共通化し、「ニコニコアニメチャンネル」と連動させることで、ニコニコ・ai sp@ce双方が盛り上がることを期待する。
「アキハバラ島」、実際のアキバと協議して実現させたい
それぞれのゲームの世界観を1つの「島」で再現する仕様。島は、1つ当たり2000万円程度で構築できるといい、半年に1島のペースで増やしていく。コンテンツを提供するメーカーは現在のところ3社だが、今後増やしていく。
各島のハブとなる「アキハバラ島」も設置。現実の秋葉原にそっくりな世界にし、地方に住む人が秋葉原の雰囲気を気軽に体験できるエリアにしたいという。建物やロゴなどを無許諾でそのまま再現すると、著作権法や不正競争防止法上の問題になる可能性もある。今後、秋葉原駅前商店街振興組合などと話し合いを進め、できるたけ現実の秋葉原に近い街にしたいという。
参加は無料、アイテム課金で収益
無料で十分に楽しめる空間にしていく計画だが、衣装やアイテム、モーション(キャラドルのしぐさ)の販売も行う。価格は1つ100~500円程度にする予定。決済は、クレジットカード、携帯電話、コンビニのプリペイド決済に対応する。ユーザーなどがお金を使いすぎないようにする仕組みも搭載する予定だ。
キャラドルにはレベルなどはなく、自分好みに育てていける。好みのモーション(しぐさ)を、購入したり自分で設定したりできる。ユーザーとの関係が深まると、動きやせりふも変わってくる。
“自分好みのあの娘”を作るのが醍醐味だから、他人のキャラドルをもらってもあまり意味がない。MMORPGで避けて通れない、チート行為なども防げるとみている。
課金のほかには、ゲーム内で実際の商品を販売し、アフィリエイト収入を得たり、ゲームの世界観に合った広告の掲載、ゲーム主題歌やグッズ、スターターパック販売――といった収益モデルを描くが、あくまで有料課金収入をベースに組み立てていくという。
「ニコニコ島」も作りたい
将来は、女性向けゲームの世界を再現した「島」も構築していきたい考え。最終的には、Second Lifeのような自由な「島」を作り、キャラクターもモーションも、ユーザーがゼロから作り出せるようにする――といったことができれば理想だという。
太田副社長は「『ニコニコ島』を作りたい」と話す。ニコニコ動画で人気のキャラクターが歩き回り、仮想世界の中で起きたことをニコニコ動画で生放送する――といったことを想定。「いろんなキャラクターが歩き回るカオスになるだろう」
「ネット上の行動の起点が、テキストをベースにした検索から動画に変わっている。3次元世界がネットの最初の起点になる時代が来るだろう」――そんな将来に向かってドワンゴが、実験を始める。
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