米携帯電話業界団体、無料ブロードバンド義務付け案に反対
米連邦通信委員会(FCC)が無線周波数帯の競売で落札者にブロードバンドサービスの無償提供義務付けを提案したことについて、無線通信事業者の大手業界団体CTIAは、このビジネスモデルは失敗確実だとする反対意見を提出した。
CTIAは6月5日にFCCに提出した書面で「これまでも、特定のビジネスプランに沿った競売を成立させようとしたFCCの試みは失敗に終わっている。今回も例外ではないとわれわれは考える」と述べている。
FCCのケビン・マーティン委員長は5月に、2155M~2180MHzの高機能無線サービス帯の競売を提案。落札者には、10年以内に全米の50%をカバーする無償ブロードバンドサービス提供を義務付けるとした。
このアイデアは、家庭向けの無料ブロードバンドワイヤレスネットワーク提供を目指す新興企業M2Z Networksが提出した計画をもとにしている。このネットワークは広告収入で運営し、より高速なバージョンのサービスを有料で提供する。M2ZはFCCに対し、利益の5%と引き換えに周波数帯の提供を求めた。
CTIAはFCCに提出した書面で次のように述べている。「過去の歴史で実証されている通り、規定的競売制限は結果的に公共の利益を損ない、意図した通りのメリットが出せず、市場の自由な機能に任せる代替策としての成果は乏しい」「公共の利益推進に最適なのは、FCCが長年維持してきた柔軟な周波数帯利用ポリシー、すなわち周波数帯のライセンシーにイノベーションの自由と消費者の需要に応える自由を与えるポリシーだ」
CTIAはFCCが特定のビジネスモデルを市場に押し付けた例として、最近の700MHz帯の競売を挙げた。Frontline Wirelessの公式/非公式提案に基づき、FCCは公衆安全用途に割り当てられたDブロック周波数帯の競売で、最低落札価格に届く入札を集められなかった。
「何よりも、提案された秩序は市場をゆがめる恐れがある。競合各社は割引価格で周波数帯を手に入れ、実質的に補助金付きのブロードバンドを無償で提供しているライセンシーと争わなければならなくなるからだ」「提案はすべてのブロードバンドプロバイダー、特に市場価格で周波数帯を取得したばかりのプロバイダーに影響を及ぼす」(CTIA)
CTIAはまた、広告で運営する無料ネットワーク提供のビジネスプランはこれまでのところ成功に至っていないとも指摘、例としてNetZero、Juno Online Services、Spinway、Freei、Bluelightを挙げた。Spinway、Freei、BlueLightはいずれも経営破たんしてUnited Onlineに買収された。やはりUnited Onlineの傘下に入ったNetZeroとJunoは無料サービス提供をやめた。
「早くから無料のダイヤルアップインターネットサービスを提供していたこれらプロバイダーは、このビジネスプランでは採算が取れないことにすぐに気付いた」とCTIAは述べている。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
2
NEC、委託先の情報漏えいで謝罪 「セキュリティ事業を手掛ける企業として反省」
-
3
VTuber「兎田ぺこら」グッズにSNSで風評被害→示談成立 「保護者同伴で謝罪などがあったため」
-
4
JALの予約システムに不正アクセス 約9万人分の予約情報が漏えい 一部ではパスポート番号も
-
5
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
6
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
7
Anthropic、独自の“創薬活動”に着手 社員1人のバイオ企業を買収、小児難病の治療薬研究を進める
-
8
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
9
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
10
「対策を後回しにしたサーバが軒並み狙われている」 相次ぐ不正アクセスにラックCTOが警鐘
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR