乙女、アキバの中心で王子を探す 一目ぼれを記録する「ヒトメボ」を使ってみた(2/2 ページ)
王子現る
あぁ……今日も王子は見つからないのか。気が付けばもう午後6時。スイッチを押した数は10回、だいたい1時間に1回ペースで王子らしき人に求愛をしている。ケータイの充電は切れかけ、人の顔に酔い、美少女乙女の引退を考えながらPCショップに入ったそのときだった。
長身、そして顔は薄いのに甘い。黒い髪の毛は少し長めでパーマがかかっている。好みど真ん中……はっ……彼はわたしの王子……!? 見とれている場合ではない。スイッチを押さなくては……!
……ケータイの電源が入らない! 乱れ打ちしすぎた記者のケータイは電池切れで再起不能。近くで売っていた200円の簡易充電器をあわてて買ったものの、手回し式のせいかなかなか充電できない。
血相を変えて充電器を回している間に王子は行方を消し、乙女は千載一遇のチャンスを逃した。秋葉の路上で全身全霊を込めて充電器を回したため体力も精神力も使い果たし、乙女は思いを1つも叶えることなく腕の疲れとむなしさ残して秋葉原を後にした。
翌日、ヒトメボにアクセスし、自分に一目ぼれをした人を検索する機能を試してみることにした。「Myページ」の「ヒトメボレチェック」で「今日のファッションから」を選択。場所とおおよその時間を入力すると24時間以内の一目ぼれを表示する。
画面を開くとそこには「あなたに興味のある人が1人います」という1文。も、もしやこれはあのときの王子?!
一目ぼれされた場所や時間帯の詳細は表示されないため、誰が記者にほれてくれたのかはわからない。いや、でも間違いない。思えば彼、必死で充電器を回す記者を心配そうに見てたもの。気づかなくてごめんよマイプリンス!
ヒトメボは出会い系サイトではないため、ほかのユーザーのMyページを見ることはできず、両思いになったとしても、直接のコミュニケーションがとれるわけではない。なんでもいいからあの日あの時あの場所で、記者に一目ぼれした王子、記者はここにいるよ!
しかしそもそも、自分に一目ぼれした人が検索できるのはなぜなんだろうか。後日、ヒトメボを運営するユーマインドに電話して聞いてみた。マイプリンスに会う方法も分かるだろうと期待しつつ……
記者 ヒトメボレチェックの「今日のファッションから」で、自分に一目ぼれをした相手がいるか検索できると思うんですが、どういう仕組みになっているのでしょうか。
担当者 自分が登録した服装と、一目ぼれされた人たちの服装の一致度を調べて検索しています。表示が2パターンあるんですけど、完全一致と部分一致で検索してそれぞれ表示を変えているんですよ。
記者 2種類……というのは?
担当者 完全一致した場合には、『両思いかも』と出て、部分的に一致した場合には『興味のある人が何人』と出るんです。
両思いかも、と出た場合には相手がその日着ていた服装情報を確認できるリンクを表示します。自分が一目ぼれした相手ならこちらから「ヒトメボレしました」と送ることもできますよ。送れば晴れて両思いです。
記者の心の声 ……ん? 記者の場合「興味のある人」と表示されていたような。部分一致……? その日の服装はデニムのワンピに白いカーディガン、紺のサンダル……。サンダルって結構かぶるんじゃないのかな。ま、まて……その前にミディアムで茶髪の女性なんてうようよいたような……
担当者 このサービスはお互いに顔見知りなのに声を掛けられない人たちの支援をしたいと思って作ったものです。毎日電車の中で会う女の子が気になっていても、なかなか声は掛けづらいですよね。でも、もしこのサービスを使って“両思い”と表示されたら、周囲に自分のことを好きな人がいる確率が高いと分かり、気になる人に声を掛けやすくなりますよね。
こんなふうに、既に出会っている相手と、コミュニケーションを取るきっかけに使ってもらえればと思います。ですから弊社ではヒトメボを、出会いを求める「出会い系」ではなくもともと出会っている「出会わない系」と呼んでます。
――「出会わない系」を駆使して血眼で「出会い」を探した記者。一目ぼれされて、しかも両思いだと思って大はしゃぎした記者。会社で「やべー、一目ぼれされちゃったよ」と言いふらした記者。
あぁぁ……むずがゆい……そして恥ずかしい。できることなら記憶を全部消したい。どこかにいる王子様、ほれてくれなくていいからいますぐ記者を白馬でさらってください……。
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