映画に没入できる“立体的”な空間表現、ヤマハ「AX-V765」(2/3 ページ)
ユーザビリティーをチェック
さて、それでは実際に使ってみた感想に移ろう。
設置に関しては、365ミリという奥行きが、思った以上にレイアウトを自由にしてくれた。最初はオーディオラックに設置したのだが、あまりに後方が余っているのを見て、試しに長さ120センチ×奥行き60センチのパソコンデスクに移動。すでに24インチモニターとキーボード、ハンドライトがあるのにもかかわらず、机からはみ出すことなくしっかりと収まってくれた。AVアンプがパソコンデスクの上に収まるなんて、ちょっと不思議な感覚だ。
もちろん存在感が希薄なのではないし、実際の大きさもそれなりにある。スマートな印象を与えるフロントパネルとブラックボディが引き締まった印象をあたえ、目に映っても目障りに感じないということなのだろう。なかなか絶妙な実寸とデザインだ。
配線に関しては、HDMIが上側にまとめられていることもあって、すぐに終わった。ホント、HDMIさまさまである。時間がかかったのはスピーカーケーブルの接続くらい。フロントプレゼンス(シネマDSP<3Dモード>で活用する)以外は横1列にレイアウトされているのは分かりやすく、端子のダイヤルも昨年のDSP-AX763に比べたらまわしやすくなっていたが、いかんせん端子同士の間隔が狭く、今回試聴に使ったオーディオテクニカの「アートリンクS」などシースが硬めのケーブルをつなごうとすると、かなり手間を要する。とはいえ、このあたりはAX-V765が劣っているわけではなく、他社製品もこの価格帯は似たり寄ったり。また、バナナプラグを利用すれば一発解決するレベルの話でもある。
AX-V765にはオンスクリーンメニューが用意されている。英語が基本言語となるシンプルなものだが、メニュー体系が上手に整理されていたため、説明書を読まなくても問題なく扱える。またリモコンはボタン数が格段に増え、暗闇での操作が難しくはなったが、使用頻度の高いボタンは親指まわりに集中しており、すぐに慣れることができた。
自動音場調整機能は、マイクを差し込んで決定を2回押すだけで始まり、必要な時間も2分程度と短い。しかしその音を聴くかぎり、手を加える必要性を感じさせない高度なセッティング。ヤマハのサラウンド技術が、相当なレベルに達していることを実感させられる瞬間だ。
それでも好みに合わせて設定に手を加えたい人もいるだろう。AX-V765には、シネマDSPのセッティングについて、各モードごとに細かく調整できるメニューが用意されている。これを活用すれば、自分好みのサラウンドを作り上げることができる。
サウンドチェック
今回の視聴では、AX-V765に加えてヤマハ製のスピーカー「Soavo」シリーズを借用した。フロント3本が「Soavo-3」、サラウンドおよびサラウンドバック、プレゼンスに「Soavo-900M」、ウーファーが「Soavo-900SW」という、アンプの価格を考えるとぜいたくなシステムを自宅のシアタールームに設置して試聴を行った。
実際の音を聴くまでは「AX-V765には(製品のグレード的に)ちょっと酷かな」かと思ったが、なかなかどうして。Soavoが全チャンネルともにちゃんと鳴りきって、魅力的なサウンドを奏でてくれる。Soavoは小難しいスピーカーではないが、それにしてもこのクラスのスピーカーを遜色なくドライブできるのはありがたい。
音質的な特徴はというと、豊かなニュアンスを生かしてじっくり聴かせるタイプ。表現が多彩なこと、強弱の階調がとても多いことを最大限に活用して、音楽も映画の台詞も、より感情深く表現してくれるのだ。
例えばBlu-ray Discの「50回目のファーストキス」では、前日のことをすべて忘れてしまうルーシーに対して、恋人のヘンリーが日によって少しずつニュアンスの異なる気持ちを持っていることが見事に感じとれるし、「攻殻機動隊SSS」では、自分の子供を守るために自殺を図るトグサの感情、それを止められなかったと一瞬思いこんだバトーの刹那感がまるで肌を通して感じているかのよう。そう、映画に対する没入感がとても高いサウンドなのだ。
一方でライブ映像などの音楽も充分に楽しめた。「アンジェラアキ/MY KEYS 2006 in 武道館」では、演奏が後半にいくにしたがって彼女の感情が高まっていく様子、そしてライブの最後には気を取り直してまた笑顔になるという、ライブならではの“奏者と観客の一体感”を感じ取ることができた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR