ライバル排除? AppleがGoogle VoiceをiPhoneから締め出す
AppleがiPhoneのApp Storeで、Google Voiceアプリケーションと、Google Voiceを利用するサードパーティーのアプリケーションを禁止した。Google Voiceの機能がiPhoneの標準機能と競合するからというのが表向きの理由だ。Appleが常にGoogleと仲良くやっているわけではないという印だ。
7月18日に電話取材を申し込んだところ、Appleの広報担当ジェニファー・ボーコック氏はコメントを拒んだ。だがGoogleの広報担当者は27日にeWEEKに送った声明文で、Google Voiceが禁止されたことを認め、次のように述べた。
「Appleは、6週間前にApp Storeに提出したGoogle Voiceアプリを承認しなかった。当社のサービスをiPhoneユーザーに提供するための取り組みを続ける。例えば、モバイルブラウザを利用するといった形で」
この件は初めTechCrunchが報じた。TechMemeでは追加の記事が取り上げられている。
27日早くには、iPhoneアプリ開発者のショーン・コバクス氏が、同氏の人気アプリ「GV Mobile」がApp Storeから削除されたことを明らかにした。GV Mobileは、Google Voice番号からアドレス帳の電話番号に電話をかけたり、SMS(ショートメッセージサービス)メッセージを送れるようにするアプリ。
コバクス氏は自身のブログに次のように記している。「Appleのリチャード・チップマンが今電話で、GV MobileをApp Storeから削除すると知らせてきた。iPhoneに標準装備されている機能(Dialer、SMSなど)と重複するからだ。実際には彼は具体的な機能名は挙げなかったが、GV Mobile全体のことだと思う」
GV Mobileと同じ機能を持つVoiceCentralも、App Storeで禁止された。だが、記者がGoogleにこの件についてを聞くまで、Googleのアプリケーションも禁止になったことは誰も知らなかった。
Appleはこの件について沈黙を守っているが、TechCrunchは、AppleがGoogle Voiceアプリを禁止したのは、iPhoneの独占キャリアであるAT&Tのためではないかと推測している。Daring Fireballのジョン・グラバー氏は情報筋を通じてこれを確認した。
電話会社はGoogle Voiceを警戒している。同技術は無料のSMSと安価な国際電話を提供することで、電話会社のサービスを回避している。
Enderle Groupのアナリスト、ロブ・エンダール氏は、AppleとAT&TにはGoogle Voiceを脇に追いやる理由があると認めている。同氏は次のように語っている。
「Google Voiceに関しては、AppleにもAT&Tにも競争上の問題がある。AppleはPC上でのiTunesとSafariの戦略(これらソフトを使って顧客WindowsからApple製品へと取り込む戦略)をAndroidプラットフォームにも応用しようとしており、Google Voiceはそれを覆すからだ。そしてGoogle VoiceはVoIPアプリであり、AT&Tの売り上げを減らす可能性があるからでもある」
もっとひどいのは、プログラマーにとってどのアプリがApp Storeで承認されるのかを見極めるのが難しいことだとエンダール氏は指摘し、Appleは競合しているように見えるアプリケーションを遮断したり、機能を制限したりする傾向を示していると付け加えた。
同氏は、音楽ストリーミングアプリ「Slacker」が、iPhoneで機能制限され、飛行機で使えないことを指摘する。BlackBerry版のSlackerは機内でも使える。
「ここ(シリコンバレー)では、Appleのアプリ承認プロセスを『ロシアンルーレット』に例えている」と同氏は冗談を言う。
不可解なプロセスとこのような反競争的行為が相まって、開発者らはResearch In MotionのBlackBerry、GoogleのAndroid、PalmのWebOS向けのアプリ開発に目を向けていると同氏は言う。
GoogleがAppleに屈するはめになったのは、今回のGoogle Voiceの件が初めてではない。Googleは7月23日にiPhone向けの「Google Latitude」をリリースしたが、Webアプリに書き換えなければならなかった。
「iPhone向けのLatitudeアプリを開発した後で、AppleからWebアプリとして提供するよう要求された。Google Mapsを利用しているiPhone標準の地図アプリとの混同を避けるためだ」とGoogle Mobileチームプロダクトマネジャー、マット・ベールズ氏はブログに書いている。
GoogleとAppleが近しい関係にあることを考えると、AppleのGoogleのWebサービスに対する冷遇ぶりは興味深い。アナリストは長い間、GoogleとAppleは手を取り合ってMicrosoftに対抗していると考えていた。またGoogleのエリック・シュミットCEOはAppleの取締役を務めている。
AppleとGoogleが、携帯電話向けWebサービスで対立する道を歩みながら、いつまで親しい関係でいられるか疑問だ。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
9
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
10
タイムズカー、お見舞金3000円の算定基準は? パーク24に聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR