本山由樹子の新作劇場
インド版みのもんたに挑戦!――「スラムドッグ$ミリオネア」
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スラムドッグ$ミリオネア(Blu-ray Disc)
第81回アカデミー賞において作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、主題歌賞など最多8部門を制した注目作「スラムドッグ$ミリオネア」が10月23日にBlu-ray Disc化される。特典は2種類のオーディオコメンタリー(ジャマール役デーブ・パテル×監督ダニー・ボイル/脚本サイモン・ビューフォイ×プロデューサー:クリスチャン・コルソン)、監督&脚本家&主要キャストへのインタビュー、メイキング、未公開シーン、デジタルブックレットなどを収録。初回特典としてスリーブケース付き。
インド・ムンバイのスラム街で育ったジャマールという青年は、幼い頃に母親を亡くし、学校もろくに通えなかった孤児だ。そんな彼が日本でもおなじみの世界的人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、数々の難問をクリア、あと1問正解を出せば番組史上最高の賞金を獲得できるところまで勝ち抜く。だが、イカサマの疑いをかけられて警察に連行されてしまう。厳しい尋問にも無抵抗主義を貫くジャマール。なぜ、彼が難問を次々と答えることができたのか?その答えは、彼の人生にあった。
監督は「トレインスポッティング」「28日後…」のダニー・ボイル。最近は鳴かず飛ばずだったので、この復活劇は素直に喜びたい。脚本は「フル・モンティ」のサイモン・ビューフォイ。音楽は「ムトゥ 踊るマハラジャ」のA・R・ラフマーン。
クイズ番組の問題と主人公の人生をリンクさせた脚本がとにかくユニークで、上手い。冒頭、悪さをした子供たちが狭い路地を走り抜けるシーンから目が釘付けに。貧困や宗教問題といったスラムの悲惨さはサラッと流し、人生をサバイバルするスラムドッグのタフさ、ムンバイの町が持つエネルギーを鮮やかに切り取ったダニー・ボイル監督、「トレインスポッティング」を思わせるその手腕はお見事。インドで大ロケを敢行し、出演者のほとんどは現地でスカウトしたという成果が表れているようだ。
インド版みのもんたによるクイズ番組シーンはスリリングで緊張感がみなぎる。運命的なロマンス、一筋縄ではいかない兄弟愛などドラマ要素もたっぷり。何より印象的だったのは、酸いも甘いも人生経験において無駄なことはひとつもないというポジティブなメッセージ。キャストが踊りまくるエンドロールまで見逃せない娯楽作、映画ファンならずとも押さえておきたい1本だ。
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