Twitterとテレビの“力”、その違い 津田大介さんなど議論(1/2 ページ)
Twitterを絡めたテレビ番組が登場するなど、Twitterとマスメディアの“握手”が進み始めている。Twitterでブログの更新を知らせたり、Ustreamを使った動画配信を告知するなど、Twitterと他ネットメディアを連携させた使い方も広がっている。
Twitterとテレビやブログの関係はどうなるのか。ジャーナリストの津田大介さんと、フジテレビでネット関連の番組制作などを手掛けてきた福原伸治さん、「Gizmodo Japan」を創刊し、書籍「フリー」監修などで知られる小林弘人さんが2月23日、「アルファブロガー・アワード 2009」発表会で議論した。
Twitterの影響力 テレビとの違いは
Twitterの国内ユーザーは数百万人ともいわれるが、まだ「キャズムを超えていない」と津田さんは言う。「Twitterの影響力はまだ、社会的に大きくない。(Twitterの影響力が高いとされている津田さんでも)バレンタインチョコすらもらえない」と、津田さんは冗談交じりに話す。
Twitterなどネット媒体の影響範囲はテレビよりはるかに狭い。全国ネットのテレビ番組は視聴率数%でも100万人単位が見ているが、Twitterは日本一フォロワーが多い人でも100万人に満たない。Ustreamも1000人も視聴していれば「多い」と言われるほうで、テレビの視聴者数とはけた違い。ブログも100万人単位で読まれているのは、芸能人ブログぐらいだろう。
約20年にわたってテレビ番組を制作してきた福原さんは、テレビの視聴者の量や瞬発力は圧倒的だが、継続性がないと指摘する。「情報番組で紹介した店には直後にがっと客が来るがだんだん減り、最終的には1割増えるか増えないか、減ることもある。テレビの影響力で動く人たちは、次々に新しいものに行ってしまう。テレビは、深く浸透させたり考えたり議論することには向いていないのかなと」
TwitterやUstream、ブログには、テレビとは異なる「広がる力」があるという。「ブログの口コミは、リゾーム(根茎)のように広がる感じがある。テレビは一瞬だが、ネットは時間軸にしみこむ感じがある。テレビは量が重要だが、(ネット時代になって)誰が言ったかという質や広がり、つながりが重要になってきている」(福原さん)
「ニッチな分野では、TwitterやUstreamはテレビと勝負できている」と津田さんは話す。例えば、津田さんがTwitterで書籍を告知すると、40~50冊売れるという。「地方のテレビ局の通販などより実数が多いのでは」。Ustreamで動画配信する際、動画で言及した製品の販売サイトに誘導するといったことが可能になれば、「テレビが担っていた機能(通販番組)を低コストで実現するということは可能では」
Twitterとマスメディアの相性
Twitterはほかのメディアと連動した企画も多い。テーマに合わせたつぶやきを募集・紹介するバラエティー「口コミ戦隊つぶやくんジャー」や、Twitterで出会う男女を描く恋愛ドラマ「素直になれなくて」など、Twitterをテーマの中心にすえたテレビ番組も登場している。
こういった番組は発想としては新しくなく、むしろ伝統的なテレビ番組の手法に則ったものというのが福原さんの見解だ。「つぶやくんジャーの作りは古い深夜番組そのもの。ドラマは時代を反映するもので、時代背景を表すものとしてTwitterを使った形。基本ラインは変わっていないのでは」
ブログブームのころは、ブログと連動したテレビ番組も次々に登場した。ブログから次の流行を予測する番組「ツギクル」を手掛けた経験を踏まえ、福原さんは、「ブログとテレビは棲み分けができてきたが、Twitterは融合していくような気がする」という。
ブログには番組を見た後に感想を投稿する人が多いが、Twitterは番組を見ながら書き込む人が多いなど、番組とリアルタイムに絡み合う可能性を持っている。Twitterにリアルタイムで番組の感想を書き合うことは「番組にみんなでソーシャルタグを付けているようなもの」と津田さんは指摘。「つぶやきをまとめてソートすれば、すいぶん面白いデータがたまるのでは」(津田さん)
「Twitterはテレビよりラジオのほうが相性がいい」(津田さん)とも。TBSラジオ「キラ☆キラ」「Life」などTwitterと連動した番組は多く、Lifeで設定したハッシュタグには、1回の放送当たり4000件ものつぶやきが投稿されるという。
「テレビはフォーマットが決まっているが、Twitterは予測がつかない方向に広がっていくのが魅力。ラジオとは、(ゲストなどが)スタジオに乱入したり、リスナーから電話かかってきた、スタジオとリスナーの共犯関係があるなど、コンテンツの作り方や、コントロールがきかない感じの許容度が似ている。ラジオ局はTwitterに期待しているし、営業的な販路を探している」(津田さん)
ブログとの違いは
ブログが登場した当初、「秒殺」のメディアと呼ばれたと小林さんは振り返る。「今、秒殺のメディアはTwitterに代わり、ブログは月刊誌のようになった。Twitterは前線基地、ブログはキャンプ設営場所みたいになり、ブログをハブにしてTwitterで加速させるといった役割分担も起きるのでは」(小林さん)
「○○についてのブログ」などテーマを決めて更新しているものはブログに残っているが、日々の生活やちょっとしたつぶやきなど、個人的な記録やmixi日記が担ってきたような内容は「Twitterに移行している」とも指摘する。
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