デジタルだからできること
「逆算モノづくり」へのシフト――カシオ計算機(前編)(2/2 ページ)
発想の転換期
――デジタル処理能力の増大が、カメラのデザインや機能、求められる役割までも変容させてきたということですね。その変化の兆しを感じたのはいつごろでしょう。
今村氏: 転換期だと感じたのは2005年ごろでしょうか。2004年ごろまでは撮像素子の高画素化に対応するべく開発を行ってきたのですが、2005年ごろから、「どのような需要を満たしたいか」というアプローチ――言い換えれば提案型製品の考案――に変化してきたと思います。個人的にも「デジタルカメラは銀塩カメラの置き換えなのか?」を自問自答した時期があり、それは2005年ごろだったかと記憶しています。
「デジタルで撮る」だけではなく、使い方や撮った後の楽しみ方といった部分までを考えるようになったのもこのころです。そのころはちょうど、デジタルカメラに顔認識機能が搭載され始めた時期なのですが、その処理を高速に行うには認識プログラムを画像処理エンジンに組み込む必要がありました。いま思えば、それが画像処理イコール「レンズから入った光を画像データへと処理する」ではない発想、思想のはしりだったかと思います。
宮田氏: わたしはQV-770/QV-5000SXのころから(編注:QV-770は1997年9月、QV-5000SXは1998年4月発売)、画像処理エンジンの役割を再考し始めました。当時はデジタルカメラに動画撮影機能が搭載され始めた時期で、ハードウェアの進化が一段落し始めた時期とも言えます。「したいことがあるから画像処理エンジンを開発しよう」と考え始めたのはそのころですね。
今村氏: EXILIMエンジンは3年ほど前の3.0(編注:現在は5.0)から画像処理専用のプログラマブルな回路を組み込み込んだ構成となっています。回路の設計から製品搭載までは2年ほどの時間がかかりますから、製品に付加価値を持たせるためには「したいこと」の予測が欠かせなくなるのですが、プログラマブルな回路とすることで設計や実装が容易になったのです。
(後編に続く)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
9
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
-
10
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR