長期試用リポート
「DSC-HX5V」第2回――「強制」ボタンがあればいいのに
前回(→長期試用リポート:「DSC-HX5V」第1回――僕がHX5Vを買ったワケ)でも言及したが、DSC-HX5Vは本体にUSBなどの汎用端子を備えていない。撮影データのやりとりだけならばメモリカードを抜き差しすればいいのだが、付属ケーブルを使わないとやや面倒なこともある。それが「GPSアシストデータ」の転送だ(※初出時、アシストデータの転送にはケーブルが必要と記載しましたが、メモリカード経由でも可能ですので、該当カ所を訂正させていただきました)。
DSC-HX5VはGPSを搭載しており、撮影した静止画/動画へ位置情報を加えることができる。位置情報を持ったファイルは付属の「PMB(Picture Motion Browser)」など対応ソフトを使うことで、地図上への表示が可能となる。使ってみると分かるが、写真+地図は思っていたよりも楽しい。DSC-HX5Vは電子コンパスも搭載しているので、対応ソフトならばどちらの方角を向いての撮影かもバッチリ分かる。
その楽しいGPSだが、利用した人も多いであろう携帯電話のGPSほど測位速度は速くない。その速度差は携帯電話のGPSが基地局からの電波とGPS衛星からの電波を組み合わせる、いわばハイブリッド形式であるのに対して、DSC-HX5Vの測位がGPS衛星からの電波だけで行われることに起因する。そのために用意されたのが「GPSアシストデータ」だ。
これはPC接続時に衛星の軌跡データをインターネット経由で事前取得することで位置計測時間を短縮させる機能で、DSC-HX5V本体とインターネット接続されたPCをUSB接続すると、データ取得およびカメラ本体へのデータ転送が行われる。アシストデータには有効期限が設けられているため、一定期間ごとにPCとUSB接続する必要があり、その際に付属ケーブルが必要なのだ。
有効なGPSアシストデータがカメラ本体へ移行されていれば、条件次第となるものの測位速度はかなり向上する。晴天や周辺が開けているなどの好条件がそろっていれば1分足らず測位は完了することもある。同様の条件でもGPSアシストデータが無効な状態(期限切れ)だと5分以上かかる場合があったので、可能な限りGPSアシストデータの有効期限を切らさないようしたい。
GPSによる測位が完了していると、撮影中の画面に携帯電話のようなアンテナが表示される。アンテナは×マークからアンテナゼロ本、アンテナ1本~3本まで表示され、それぞれ電波の強さを表し、×マークが表示されている場合は写真にGPSデータは付加されない。ただし、アンテナがゼロ本の場合、位置情報は現在地ではなく前に測位した情報が付加されてしまうので、移動したはずなのに移動前の位置情報が記録されてしまうということが起こり得る。
開発者インタビューでも言及されていたが、GPSは微弱な電波をキャッチして測位するため、レンズの沈胴機構や他の回路から生じる磁気やノイズは大きな障害となる。GPS感度を上げればカメラ本体の磁気/ノイズからの影響を受けてしまい、感度を下げれば測位速度が落ちて使いにくくなる。
そのあたりのさじ加減が難しいことは理解できるのだが、バシバシ写真を撮っていると移動前の位置データで写真を撮ってしまうという事態が頻発してしまった。撮影時に測位しているかの確認は画面を見ればすぐに行えるが、最新の位置情報にデータが更新されるまでは待つしかなく、これでは撮影のテンポが落ちてしまう。PMB上で位置データの編集も行えるが、撮影時、「強制的に位置データを最新のものへ更新する」という操作が行えれば良かったように思える。
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