フルモデルチェンジ
ソニー「BDZ-AX2000」の進化を検証する(後編)(2/3 ページ)
1層BDに24時間以上の保存が可能になった11倍録画
録画機能では、まず2009年冬モデルで搭載された「インテリジェントエンコーダー」が「インテリジェントエンコーダー2」に進化。既に全録画モードでのフルハイビジョン記録に対応しているが、本機ではもっとも長時間録画が可能な「ERモード」が11倍録画に対応した。2010年春モデルで既に10倍録画が可能だったため、大幅に圧縮率が向上した訳ではないが、1層BDメディアに約24時間25分と24時間を超える保存が可能になった点はトピックだろう。
「インテリジェントエンコーダー2」では、番組表のジャンル情報を参照してエンコードを行う「ジャンル別エンコーディング機能」がさらに最適化され、新たに「ビジュアルアテンション」が追加されている。これは同社のカムコーダーなどで採用されている顔検出技術を応用したもので、注目されやすい人物などにより重点的にデータ量を割り振ることで視覚上の画質を向上させる機能だ。
では、その画質はどうだろう。評価に用いた録画モードは、DR、SR(約8Mbps)、LSR(約4Mbps)、ER(約2Mbps)だ。
まずは比較的動きの少ないシーンだ。とはいえ静止画状態ではなく、中央の花と静物は風に揺られている。ERモードはさすがにエッジが甘くなっている部分があるし、発色も少し穏やかになっているが、半透過状態の羽も背景に完全に溶けこんでいない点は立派で、背景の表現力も悪くない。基本的にはビットレート相応の画質ではあるが、LSRモードの画質も相当頑張っている。
次はバッドケースだ。画面全体に揺らぐ湖面が写っており、DRモードですら乱れが多い。こういったシーンではERモードはLSRモードと比較しても一気にエッジが甘くなり、ブロックノイズも目立つようになる。ここでも頑張っていると思えるのはLSRモードで、ビットレートがほぼ倍となるSRモードと比較しても悪くない画質だ。まぁ、これは極端な例ではあるのだが。
最後は、ビジュアルアテンションの評価を狙ってみた映像だ。画像は画面全体に女性の顔が映し出されているシーンの一部を切り取ったものだが、ERモードでは手前のトランペットや指の部分が大きく乱れているのに対して、顔の部分はグラデーションも保たれておりエッジもきれいだ。もちろんこれがビジュアルアテンションの効果がどうかは断言できない訳だが、実際ERモードでドラマなどを録画、再生してみると背景などに対して人物の描写をしっかり感じるシーンは多かった。ビジュアルテンションは注目されにくい部分の画質を犠牲にして成り立つわけだが、動画圧縮とはそもそもそういう技術ともいえる。従来より一歩踏み込んだエンコード機能として十分に有用だろう。
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