簡単さは圧倒的 iPad、iPhoneで「どこでもボカロ作曲」iVOCALOID 開発者に聞いてきた(2/2 ページ)
iPhone版は「おしゃべり」できる
iPhone版のiVOCALOID VY1tはiPad版とはユーザーインタフェースが大きく異なっている。ピアノロール方式の入力に加えて、ピッチカーブ入力が可能だ。「VOCALOIDの父」で研究開発センター音声グループマネージャーの剣持秀紀氏が答えてくれた。
「生ビールくださーい」「おまえのかあちゃんでーべーそー」「ばーか」といった、話し言葉のフレーズを、言葉を入れてカーブを描くだけで簡単にしゃべらせることができる。ピッチと音の長さを調整可能。「このインタフェースが非常にいいな、というのは改めて感じた」と剣持氏。
文字入力の画面で「ありがとお」と入れると、ピアノロールの画面下に「あ」「り」「が」「と」「お」と音の長さが、上のピアノロールの部分に音高が表示される。音長は画面下で、音高は上の部分で調整するという、操作性を重視したインタフェースだ。画面上部を押しているときにはサイン波のガイド音が出てくるので分かりやすい。おしゃべりの長さは最大3秒間。曲の情報は自動的にデータベースに保存される。
剣持氏はピッチカーブを描き直すことで、「ありがとう」を標準語っぽくしゃべらせたり、京都弁っぽいイントネーションにしたり実演してみせてくれた。
iPhone版、iPad版ともに160Mバイト以上で、VY1データベースを内蔵。剣持氏によれば、それにオプションでほかのVOCALOIDを追加するというのは難しいそうだ。このため、男声VOCALOIDのVY2が出ても、そのiPhone版、iPad版は別製品ということなるようだ。
iPadアプリで作成したVOCALOIDデータ(VSQファイル)をメールに添付して送り、Windows版VOCALOID Editorで編集できる機能はあるが、既存のVSQファイルをiVOCALOIDで読み込む機能を実装するかどうか未定。iPhone版でVSQファイルをメール添付する機能については、技術的には可能なので、要望が多ければ商品化時に実装するかもしれないという。
両製品とも価格、発売時期ともに未定だが、App Storeでの公開についてはめどがたっているようだ。
これがiPhone、iPadのキラーアプリとなるのは確実だろう。実機が展示されている「デジタルコンテンツEXPO」(10月17日まで、東京・日本科学未来館など)会場ブースでは、訪れた中学生がiPad版をいじって、「ワールドイズマイン」を打ち込んでいたそうだ。これまではWindowsにしばられていたVOCALOIDだが、iPad、iPhoneという新たなプラットフォームを得て、新たなクリエイターを作り出していくことを期待したい。
iOSに対応するのなら、Mac OS Xへの対応もできているはず。同じXcodeが開発環境なので、Mac版もぜひ、と期待がかかる。これについて、剣持氏はエンジンは移植できるが、GUIの部分がまだなので、「しばらくお待ちください」と答えた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR