山本浩司の「アレを“聴く”なら是非コレで!」
ヤマハ「NP-S2000」が誘うハイレゾ音源の心地よい世界(1/2 ページ)
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自分で言うのもナンだが、常軌を逸したオーディオマニアのぼくは、以前から携帯オーディオプレーヤーで高圧縮音源を聴く習慣はなく、リスニングルームでCDやSACD、アナログレコードといったパッケージメディアをスピーカーを通してマジメに聴く、というジンセーを送ってきた。「デジタルファイル? ふざけんな」というキホン姿勢を長年取ってきたわけである。
ところが、2008年の夏に英国リンのネットワークプレーヤー「クライマックスDS」を購入して以来、デジタルファイルミュージックがぼくの音楽生活のメインソースになってしまった。それはなんといっても音がよかったからである。PCを介してCDをリッピングしたデータをNASに収め、メカレスプレーヤーで聴くそのサウンドは、それなりの金額を投資してきたCD再生システムとは一味違う魅力的な音を奏で、ぼくをおおいに喜ばせたのだった。
当初は手持ちCDのリッピングに精を出し、そのアーカイブ作りに励んでいたのだが、ほどなくCDフォーマットを超えるハイビット/ハイサンプリング系ハイレゾリューション音源の魅力のとりこになり、今では良質なハイレゾファイルの蒐集が、ぼくの最も大切な趣味の1つとなった。
では、ハイレゾファイル最大の魅力とは何か。それは一言でいえばスタジオマスターとニアリーイコールの音がリスニングルームで聴けることである。自分が好きなアーティストが認めた48kHz/24ビットとか96kHz/24ビットのマスターファイルを、われわれアマチュアの音楽ファンが簡単に安価に入手できるわけで、これは考えてみれば本当にすごいことだと思う。
そんなわけで、インターネットを介して高音質音楽配信サイトからさまざまなハイレゾファイルを入手し、わが家を訪ねてくださった多くの同好の士にその音を聴かせて悦に入っていたのだが、彼らは口をそろえてこう言うのだった。「確かに高音質デジタルファイルの音は凄い。手が出せる値段で魅力的なネットワークプレーヤーが出たらオレもすぐやりたい」と。
そんな仲間に最近ぼくがお勧めしているのが、ヤマハのネットワークプレーヤー「NP-S2000」だ。本機はリンのDSと同じく入力はLAN(イーサネット)のみ。DLNAに準拠したPCやNAS(Network Attached Storage)とネットワーク接続し、そこに収められた音楽ファイルを読み出すドライブレスプレーヤーである(インターネットラジオを快適に聴取できるvTUNERもサポートしている)。
つい見逃しがちだが、ヤマハはネットワークオーディオやミュージックストレージ関連の技術に深い経験と知見を有している。2001年にはリニアPCM 方式の大容量HDD/CDレコーダー「CDR-HD1000」を、2003年には「MusicCAST」というネットワークオーディオ機器を発売している。ぼくが初めて「CDのリアルタイム再生よりもHDDに取り込んで再生した音のほうがいいんじゃ?」と気づいたのはCDR-HD1000だったし、MusicCASTのスマートで先進的なコンセプトには目を見張った。NP-S2000は、そんなヤマハのこれまでの経験の蓄積が生かされた、じつに完成度の高い高音質ネットワークプレーヤーに仕上がっているのだ。
オーディオ機器としての品格
白木(ナチュラルバーチ)のサイドウッドをあしらった銀色に輝く高さ50ミリの薄型スタイル、じつにスタイリッシュだが、手に持つとずしりと重い。家電チックな昨今のAV機器とは佇まいの品格がまるで違う。部屋の置いているだけで買ったヨロコビがしみじみ味わえるすばらしい仕上げだが、この1970~80年代初頭のヤマハ・オーディオを思い起こさせるそのルックスは、2007年に発売されたSACD/CDプレーヤーの「CD-S2000」とウリふたつ。採用されたDACチップもアナログ回路のCD-S2000のそれがほぼそのまま踏襲されている。
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