コンテンツ販売の未来は――津田大介さん、佐々木俊尚さん、ドワンゴ川上会長など議論(2/2 ページ)
川上さんとしては、「囲い込もうという意思はなく、ユーザー管理はコンテンツホルダーがやるべき」と考えているという。「生のメールアドレスを教えるのはユーザーの許可が必要だが、作り手が直接ファンとコミュニケーションできる方法は用意しないとダメだと思っている」(川上さん)
岩崎さんは、「コンテンツを持っている人と送る人は、分かれていたほうがいい」と、佐々木さんと逆の考えだ。「芸能人は、そういったことに直接タッチしてないという見え方のほうが、ファンが付いてくる」(岩崎さん)ため。「有料モデルに対する“引き”が、クリエイターやアーティストにある。そういう決まりだから有料になっていて、芸能人本人はタッチしていないという立ち位置がやりやすい」と夏野さんが補足する。
佐々木さんは「それはマスメディアのモデル。100人しか購読者がいない著者だと成り立たない」と反論。津田さんは、「損益分岐点が変わってくるということだろう。苦しいけど本人が直接やっているというスタンスが親近感をもたらすとこもあると思うが、岩崎さんは、そういうのにタッチしてないほうがファンを集めやすいという構造は変わらないと考えている」と間を取り持つ。ちなみに津田さんがブロマガに欲しい機能は、購読者向け生放送の後、視聴者と一緒に突発オフ会を開くために「笑笑」など居酒屋をボタン1つで予約する機能という。
個人が発信する有料のコンテンツプラットフォームにファンがお金を出す構図は、「ソーシャルファンディングに近い」(夏野さん)側面もある。ブロマガにソーシャルファンディング機能を付けないか問われた川上さんは、「付けてもいいが、クラウドファンディングはあんまり流行らないと思ってる」と話した。
課金コンテンツを成功させたのは日本
「ネットはフリーという考え方は間違っているとずっと前から思っている」と、川上さんは言う。お金をかけて作ったコンテンツを無料で公開する時代が10年ほど続いてきたが、「そろそろ成り立たなくなり、どこかで揺り戻しが来ると思っている」(川上さん)。
Kindleの上陸などでグローバルな有料課金モデルが迫る中、日本企業があわててサービスを整備しているように見えると指摘する佐々木さんに対し、川上さんは「有料課金のモデルを作ったのは夏野さん、iモードですよ」と反論。「いつの時代も、プラットフォームを作るのは欧米が強いが、コンテンツ課金は日本が強い。月額課金はiモードから始まり、iPhoneは後からだった。ゲーム機とゲームの売り方も、任天堂が作った。日本がコンテンツの売り方を世界に発信している。海外企業は力の強い人がすべてを持っていく方法を考える。コンテンツ課金モデルは、海外のモデルが未来だと考えないほうがいいいと思う」(川上さん)
夏野さんは「エロコンテンツを参考にiモードを作った」という。「エロコンテンツはみんな月額課金だった。iモードは当初、ほとんどの企業やクリエイターが都度課金じゃないと嫌と言っていたが、3年後には全員が、サブスクリプションモデルに感謝していた。Androidがダウンロード課金で大失敗しているが、ブロマガという形で仕切りなおして、もう一度サブスクリプションモデルを主流にしたい」(夏野さん)
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