「設定不要ですぐ使える」 WiMAX搭載で8480円・NEC製電子書籍端末、BookLiveが発売
「日本で生まれた、日本の読書好きのための電子書籍端末だ」――凸版印刷系の電子書籍ストア運営会社・BookLiveとNEC、UQコミュニケーションズ、三省堂書店は11月7日、モノクロ電子書籍端末「Lideo」(リディオ)を12月10日に発売すると発表した。WiMAX通信機能を搭載したNEC製端末で、設定不要ですぐ使える手軽さが売りだ。
KindleやKoboは「設定が難しそう」などと敬遠している読書家のシニアや、電子書籍の初心者層がメインターゲット。まずは数十万台を出荷し、Web直販と、三省堂書店の店頭で販売する。
Lideoは、6インチのE Ink電子ペーパーを搭載し、110(幅)×165(高さ)×9.4(厚さ)ミリ、約170グラム。「6インチの電子ペーパー端末としては世界最小・最軽量」としている。.Book、XMDF、EPUBなど主要な電子書籍フォーマットに対応し、4Gバイトの内蔵メモリを備えた。
UQ WiMAXと無線LANに対応。電子書籍ストア「BookLive!」から、書籍データを購入・ダウンロードできる。WiMAX回線利用料はBookLiveが負担するため、通信料は不要だ。端末からアクセスできるのはBookLive!のみで、Webブラウジングなどはできない。
箱から出し、誕生日・性別を入力し、パスワードを設定するだけで初期設定が完了。クレジットカード情報を入力すれば、電子書籍を購入・閲覧できる。WiMAXは設定不要で無料で使えるため、Wi-Fi設定ができなくても電子書籍を購入可能。タッチパネルに加え、ハードウェアボタンも搭載し、ボタン一発で本棚や電子書店にアクセスできるようにした。紙のガイドブックも同梱。操作に迷ったときに参照できる。
端末の手軽さと、「日本最大級」9万5000冊の品ぞろえで勝負
米AmazonのKindleや楽天のKoboなど、電子書籍専用端末の競争が激化しており、スマートフォンやタブレット端末で電子書籍が読める環境も整ってきている。Lideoは、設定不要ですぐに使える手軽さが武器。KindleやKobo、スマートフォンが難しそうと感じている読書好きのシニア層や、ガジェットが苦手な女性層などに売り込んでいく。
「スマートフォン利用者は若年層で、ひまつぶしで本を読む人が多い。年配の読書好きには電子書籍専用端末が必要だ。誰もが利用できる端末として、メーカーでないわれわれが、サービスとして開発した」と、BookLiveの淡野正社長は話す。
BookLive!の約10万冊という書籍数も差別化要素だ。「数え方はいろいろあるが、普通の感覚で書籍として流通している物をカウントした冊数ベースで、日本では最大クラス」と淡野社長。うちカラー写真集などモノクロ端末に合わないものを除く約9万5000冊を、「Lideo」で購入・閲覧できる。この冊数には「楽譜、自費出版物、ネット編纂物は入っていない」という。
Lideoには、新聞コンテンツも配信。朝日新聞に掲載された書評を中心に、ニュースやコラムなどを配信する「朝日新聞 for booklivers」(月額380円、来年1月31日までは無料)、福井新聞のニュースや書籍情報などを配信する「福井新聞SIESTA」(月額400円、来年1月31日までは無料)も提供する予定だ。
「本として扱う」――家電量販店では「売らない」
Lideoは「電子書籍端末ではなく、本として扱いたい」(淡野社長)ため、三省堂書店の店頭と、Web通販で販売。販売窓口となる書店を増やす可能性はあるが、家電量販店には置かないという。
三省堂は書店員を教育し、端末のサポートも行う。店頭では「この棚は電子書籍化されています」と紹介するなど、電子書籍も「棚」と表現。「三省堂の顧客は40~60代が中心。書店に来てもらって従業員と接する中で、新しいツールに慣れていただければ」と、会見に参加した三省堂書店の亀井忠雄社長は話す。
発表会の直前に、Amazonが「Kindle Paperwhite」を8480円から7980円に値下げした。淡野社長は、「価格競争は起こる」と苦笑。無料でWiMAXが利用でき、約9万5000冊を購入できるなど、「サービスレベルとしては国内最安値ではないかと自負している」と話す。
「Amazonは意識しているが、もっと意識するのは読者がどういうものを求めているかだ。Amazonはグローバルで、日本の読者に合わせて作り込むのは難しい。読者に支持されるものを粛々とやっていく」と淡野社長は話していた。
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