長期試用リポート
「FUJIFILM X-E1」第4回 ファームウェア「Ver.2.00」を試す
前回よりかなり間が空いてしまったが、「FUJIFILM X-E1」の長期試用リポート第4回である。6月25日より提供されたファームウェア「Ver.1.06」では操作系に改良が加えれ、また、さらに7月23日より提供開始された「Ver.2.00」では1.06の内容に加えて、AF精度と速度の向上、ピーキング機能なども追加された。ここでは「Ver.2.00」適用による操作感の変化やフォーカス周りの機能アップをチェックしてみたい。
まずはVer.1.06から行われた操作面の改良から確認する。適用によって「Fn」ボタンに割り当て可能な機能に「フォーカスエリア選択」が追加され、また、セレクターボタン(いわゆる十時キー)の下ボタンにも任意の機能が割り当て可能となった。
Fnボタンに割り当て可能なのは、「多重露出」「被写界深度確認」「ISO感度」「セルフタイマー」「画像サイズ」「画質モード」「ダイナミックレンジ」「フィルムシミュレーション」「ホワイトバランス」「AFモード」「カスタム選択」「動画」「RAW」「フォーカスエリア選択」の14個。セレクターボタンの下ボタンには加えて「絞り設定」の15機能を割り当て可能となっている。なお、「絞り設定」は新ファームウェア適用でメニューに表れるが、絞りリングを搭載しないレンズ(「XF27mmF2.8」ならびに「XC16-50mmF3.5-5.6 OIS」)を装着した際にのみ有効となる。
新たにFnないしセレクターボタン下からも選択可能となった「フォーカスエリア選択」は、従来同様、液晶左下の「AF」ボタンからも呼び出せる。Fnとセレクターボタン下の2つへ同時に割り当てることもできるので、(実用的かどうかはさておき)3つのボタンにフォーカスエリア選択を割り当てることも可能だ。
それはさておき、右手でカメラをホールドしたまま、素早くフォーカスエアを切り替えるというのが目的であれば、(エリアの移動はセレクターボタンにて行うので)フォーカスエリア選択の呼び出しはFnボタンに割り振るのがベストであるように思える。この組み合わせならば、右手人差し指でフォーカスエリア選択を呼び出し、そのまま右手親指でエリア選択を行う流れとなり、スムーズに操作できる。
前回の試用リポートで、「AFボタンが左にあり使いにくい」と指摘されていたが、この適用によって、フォーカス周りの設定を右手だけで行うことが可能になった。撮影中に測距点を移動したいときにも両手でカメラを操作する必要がなくなり、感じていたストレスはかなり軽減された。
次にファームウェア Ver2.00からの追加要素だ。Ver2.00からはAF精度と速度の向上、ならびにMF時のフォーカスピーキング機能が追加される。AF速度向上については対象レンズが「XF14mmF2.8 R」「XF18mmF2 R」「XF35mmF1.4 R」「XF60mmF2.4 R Macro」「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」の5本となっており、カメラボディと同時のファームウェアアップデートが必要となる。なお、望遠ズームの「XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS」が含まれないのは少々残念に思える。
手持ちの「XF35mmF1.4 R」「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」で新ファームウェアを試用したところ、確かに全体的な精度と速度の向上を感じられた。試用した2本の内では35ミリ/F1.4のほうがシャッターボタン半押し時の反応がよくなり、速度面での向上があったように感じられる。また、精度の面でもこれまで迷いがちだった、真っ白な壁面といったコントラストの低い被写体に対してもすっとピントが合うようになった。どんな場合でも合う訳ではなく失敗することもあるが、打率という意味ではかなり上がっているように思える。これはうれしい改良だ。
またフォーカスピーキングについては、アップデートを行うことでコマンドダイヤル長押しにてフォーカースピーキングのON/OFFを切り換え可能となり、また、メニューに「MFアシスト」の項目が追加され、ここからフォーカスピーキングの強弱も選択できる。
利用時にはピントのあっている部分がエッジの立った感じに強調表示されるのだが、網掛けなどで色が付くわけではないので、少々見にくいようにも感じる。だが、実用に際しては問題ない。欲を言えば、AF時のようにフォーカスポイントのサイズが変更できればより良かったか。今回は手元になく試用できなかったが、60ミリマクロで接写する際に威力を発揮しそうなアップデートである。
X-E1も販売開始から半年以上が経過し、まもなく兄弟機の「FUJIFILM X-M1」も登場するが、このようにファームウェアアップデートで既存ユーザーへ対応してくれるのはありがたく感じる。特にVer1.06からの操作性向上はうれしいところであるが、これについてはまだ改良の余地があるとも感じる。
特に気になるのがコマンドダイヤル。今回のファームアップで撮影状態で長押しするとフォーカスピーキングON/OFFという機能が与えられたが、それでも通常のAF撮影状態では何ら機能を割り振ることができず、右手親指がさっと届く一等地にあるにもかかわらず遊んでしまっている。構えたまま絞りとシャッタースピード、露出補正がさっとできるのだから、コマンドダイヤルにもISO感度やホワイトバランス、フィルムシミュレーションなどの機能を割り当てて、さっと変更できればいいのになあと思うのだが、それは次回ファームウェアへのリクエストにしたいと思う。
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