山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」
音を楽しむための本格派、アクティブスピーカー3機種を聴く(3/3 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
アクティブな高級スピーカー、リン「AKUBARIK」
リンの「AKUBARIK」は、値段もサイズもKEFやクリプトンとは段違いだけれど、最近聴いた高級スピーカーの中でもその音のよさで突出した魅力を持つすばらしい製品だ。
AKUBARIKは、各ユニットがインライン配置された5Wayフロアスタンディング型システム。それぞれのユニットを駆動する片チャンネルあたり5基のパワーアンプが内蔵されている。興味深いのは、最低域を受け持つウーファーにリンが1973年にパテントを取得したアイソバリック方式が採られていることだ。これはエンクロージャー底面に向かい合わせに配置した2基のウーファー(本機の場合は20センチ)をタンデム駆動することで、スピーカーの内圧の影響を抑えてより素直な低音再生を実現するという技術だ。
また、各ドライバーを駆動するパワーアンプには、これもリンのオリジナル技術であるチャクラ・テクノロジーが投入されている。これはモノリシックICとバイポーラトランジスタを組み合わせて出力段を構成し、それぞれの出力素子を適応的に使い分けて高音質とハイパワーの両方を追求するという手法。
先述のようにアクティヴ型スピーカーならではのメリットの一つに、きめ細かな音質調整が可能なことが挙げられる。本機では、3Kアレイと呼ばれるシャモジ型のプレートに取り付けられたミッドレンジ/ツィーター/スーパーツィーターの3つのドーム型ユニットが0.5dBステップでレベル調整でき、低域のレベルは-7dBまで落とすことができる。また、最低域のロールオフ周波数は、60Hz/40Hz/19Hzの3段階の切替えが可能だ。
スピーカーの周囲に空間をたっぷりと与えて聴くこのスピーカーの魅力は、筆舌に尽くしがたい。音楽の熱と力、演奏者の陰影に富んだ表情をみごとに描写するのだ。試聴した部屋では当初低音の量感が過多で、ヴォーカルの明瞭度が足りない印象だったけれど、最低域のロールオフ周波数を19Hzから40Hzに、低域のレベルを少し下げ、ミッドレンジのレベルを0.5dB落とすことで、とてもスムーズなサウンドが得られた。部屋のクセや再生する音楽の個性に合せて、自在に音質をコントロールする愉しみをたっぷりと味わえるのも本機ならではの魅力と言っていいだろう。
ペアで252万円という一見とても高価なスピーカーだが、合計10チャンネル分の高性能パワーアンプと音質劣化の心配ないデジタル・イコライザーが一緒に付いてくると考えると、これはこれで納得できる価格といえるかもしれない。スピーカーは、多くのデジタルAV機器と違ってなかなか陳腐化しないジャンル。ほんとうに気に入った良いものを買っておけば、一生添い遂げることだってできる。そんなことを改めて気づかせてくれるすばらしいスピーカーがAKUBARIKである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
10
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR