テクノロジー解説 <1>
「サイクロン」――ダイソンは何が違うのか?(1/2 ページ)
「他のどの掃除機よりも多くのゴミを吸い取ります」――なぜダイソンの性能はこれほど他の掃除機と異なるのか。その背景にある、ダイソンだけが持つサイクロンテクノロジーの役割と仕組み、そしてダイソンの物作りとは?
家電量販店の店頭に並ぶサイクロン掃除機。すっかり市場に定着した感もある製品ジャンルだが、実際にサイクロンの役割や利点、製品ごとの違いまで知る人は少ないだろう。サイクロン式掃除機の誕生は今から25年以上前の1986年。ダイソンの創始者であるジェームズ・ダイソン氏が「G-Force」を発売したことに始まる。
そもそものきっかけは、1970年代後半にジェームズ・ダイソン氏が自宅で使用していた紙パック式掃除機だった。当時として最高級の掃除機だったが、紙パックを何度変えてもすぐに吸引力が落ちてしまう。疑問に思ったダイソン氏が分解してみると、紙パックは掃除機をかけ始めて直ぐに目詰まりを起こしていることが分かった。パックが詰まれば空気の流れが阻害され、吸引力が落ちるのは当然だ。エンジニアのダイソン氏は、“紙パックに頼らない掃除機は作れないか”と考えた。
「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」――ダイソンの有名すぎるCMコピーだが、逆にいえば“パックが目詰まりを起こさなければ、吸引力は落ちない”ということだ。また、最近の掃除機はフィルターを使用している物がほとんどだが、そのフィルターも同じく簡単に目詰まりを起こしてしまう問題を抱えている。フィルターを詰まらせないためには、フィルターより前にあるサイクロンでゴミをすべて取り除けばいい。これがサイクロンテクノロジーを知る上で重要なポイントになる。
遠心力でゴミを落とすサイクロン技術
サイクロンテクノロジーは、掃除機が吸い込んだゴミと空気を円錐(えんすい)形の「コーン」内で高速回転させる。回転で生じた“遠心力”が空気の流れからゴミを分離し、ダイソン独自のクリアビン(ダストカップ)内に落とすという仕組みだ。
この原理はレーシングカーに例えると分かりやすい。高速で走っているレーシングカーが、そのままのスピードでコーナーを曲がろうとすると、運転しているドライバーは体ごと外側に飛ばされそうになる。これが遠心力(G)。遠心力を大きくすればするほど、ゴミは空気の流れから分離されていく。大きなゴミはもちろん、微細なホコリやミクロレベルの塵でも、わずかな重ささえあれば分離することができるのだ。
ダイソンは、数十万Gという遠心力を発生させるサイクロン技術を作り出し、何世代にも渡って進化させてきた。最初の製品は大きなコーンが1つだけだったが、世代を追うごとにコーンは増え、個々のコーンは小型化してきた。コーンを増やせば一度に処理できる空気の量が増し、掃除機の吸引力が上昇する。一方でコーンの径が小さくなれば、空気の回転が速くなり、効率良くゴミを空気から分離できるためだ。
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ダイソン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2014年6月30日