山本浩司の「アレを見るならぜひコレで!」
ついに発売された新生テクニクス「C700シリーズ」、製品版の音をじっくりとチェックする(2/3 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
このデジタルアンプの信号処理回路は、「JENO Engine」と命名されており、低周波領域のジッター(時間軸上の揺らぎ)を抑制するノイズシェーピング方式のクロック再生成回路、高周波領域のジッターを抑制するサンプリングレートコンバーター、そして変換誤差の少ない独自の高精度PWM (パルス幅変調)変換回路で構成されている。ちなみに電源回路はスイッチング方式ではなく、大型のEI型トランスを積んだリニアパワーサプライである。
また、筆者がこのアンプで最も興味深く思うのが、LAPC(Load Adaptive PhaseCalibration)機能の搭載だ。これはスピーカーのインピーダンス特性(周波数に応じて変化する)によって生じるアンプの周波数特性の乱れを較正しようというもの。つまりスピーカーをつないだ状態で内蔵のテスト信号を発生させ、スピーカーのインピーダンス特性の影響を受けて変化するアンプの振幅位相特性を測定(約4分)、それを較正して振幅・位相ともに平坦化させるという仕組みだ。
このLAPCを用いない通常再生時の測定図を見ると、高域で振幅特性に乱れが、低域で時間遅れが発生していることが分かる。LAPCをはたらかせると、定規で引いたようにそれがピタリと平坦化されるのである。
ちなみに「ST-C70」「SL-C700 」「SU-C700」すべて横幅340ミリのコンパクトサイズ。 3台を横に並べると、「SU-C700」のボリュームノブとセレクターだけが張り出すようなルックスになる。また、 3台ともスイッチ式の電源レバーが左隅に配されていて、そこはかとなく往年のテクニクス・イメージを醸し出しているのも興味深い。
このシリーズにラインアップされるスピーカーが、ホワイト光沢仕上げの「SB-C700」 。16センチ平面振動板ウーファーの中心に19ミリ・アルミドーム・ツィーターを配置した同軸2Way機だ。1980年代半ばにテクニクスは平面振動板を採用したスピーカー「SB-RX50」を発表したことがあり、本機にはその技術が脈々と受け継がれているわけだ。
ウーファーの振動板はアルミのハニカムコア材をカーボンクロススキン材でサンドウィッチした平面タイプ。カーブドコーンをカップリングし、ダブルマグネット構造の磁気回路でエッジワイズ巻きボイスコイルを駆動する仕組みだ。なぜ平面振動板か。通常のコーン型振動板ではクロスオーバー周波数(本機の場合は2.5kHz) に近づくにつれ分割振動が発生し、正確なピストニックモーションが得られず、周波数特性の乱れが生じるためという。
軽量で剛性の高い19ミリのアルミドームを採用したツィーターは、ウーファーの音響中心に注意深く配置され、フルレンジ・ドライバーに限りなく近づけた理想的な点音源(ポイントソース)化が図られている。また、トゥイーターの構造を様々にシミュレーションすることで、本機は100kHz(ー16dB) までの超高域再生を可能にしたという。
光沢ホワイト仕上げのMDF 製エンクロージャーは、共振の生じやすい側板に最厚部で40ミリになるアーチ状の剛性板を採用し、音の広がりを阻害する反射や回析を低減させ、徐々に厚みを変化させた構造とすることで、板の共振を分散させる工夫が採られている。フロントバッフルの両サイドがゆるやかに面取りされているのも、反射や回析を嫌ってスムーズに音を拡散させる効果を狙ってのことだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
5
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
6
GMO、攻撃者による情報公開を確認 顧客データ含むか調査中 追加の見舞金も検討
-
7
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
8
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
9
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
10
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR