横浜駅ホームの案内板がなぜか“プロジェクションマッピング風”? JRに理由を聞いてみた

 横浜駅の横須賀線ホームに、ちょっと変わったグリーン車停車位置案内があると、ネットでたびたび話題になっている。立体的な掲示板にプロジェクターで映像を映し出す“プロジェクションマッピング風”の見た目で、言われてみれば確かに不思議だ。

 情報を知らせるならわざわざプロジェクターを用いずディスプレイでよさそうなものだし、投影されている映像の動きには謎のこだわりもみられる。なぜこのような仕様にしたのか。JR東日本横浜支社の担当者に聞いてみた。

案内板を目立たせたい

 「横浜駅の横須賀線ホームは、横須賀線、湘南新宿ラインと数種の列車が停車するほか、ホーム幅も広いため、グリーン車停止位置についての質問が多い。そこで、目を引く掲示物があれば利便性が向上すると考えて設置した」(担当者)

 担当者によれば、従来のグリーン車乗車位置案内よりも分かりやすく、目立つ案内版を開発しようと考えていたところ、「過去に駅のセレモニーで使用したプロジェクションマッピングのような形にしてはどうか」とアイデアが出たのがきっかけとのこと。約2年前から検討を始め、今年になって試験的に設置するに至ったという。

横浜駅グリーン車案内板 (写真)JR東日本提供
横浜駅グリーン車案内板 (写真)JR東日本提供。夜間試験点灯の様子(2016年4月設置直後の画像)。現在の看板には、数字の下部に小さく「動作試験のため表示します。なお、ダイヤ混乱時は表示しません」と書き加えられている

 実はこの企画、「My Project」と呼ばれるJR東日本の取り組みから生まれたプロジェクトの1つ。My Projectは「自ら考え自ら行動する社員」を育成するために、2011年1月にスタートした提案促進活動だ。本企画も「まずはやってみよう」の精神から採用になったという。

 映像の投影には、照明と映像投影機能を組み合せたパナソニックの「スペースプレーヤー」を活用。プレイヤー内部の時計と、事前に入力した時刻表データに基づき、時刻に応じた文字やマークをプロジェクターで掲示器に投影している。発車時刻から1分間は表示をいったん消し、その後自動的に表示を切り替える仕組みだ。

 立体物に投影するのは、平面への投影よりも表示内容を強調するため。映像に動きを付けたのも、静止画よりも目を引く効果を期待したからだという。

 この掲示器は現在、横浜駅横須賀線ホーム10番線側(柱番号7付近)に1台だけ設置し、案内効果について検証している段階だ。土日のみ稼働し、列車ダイヤが乱れた場合にも使用は中止するという。試験運用は8月いっぱいを予定している。

横浜駅グリーン車案内板 投影前の案内板
横浜駅グリーン車案内板 投影後の案内板
横浜駅グリーン車案内板 パナソニックの「スペースプレーヤー」から投影
横浜駅グリーン車案内板 下から見ると、案内板自体がボコッと飛び出ているのが分かる

 同設備が正式採用されるかどうかはまだ決定していないが、採用された場合は他の駅やホーム、グリーン車の停止位置案内以外での活用も視野に入れているという。現段階では立体物に映像を投影するという単純な仕組みだが、今後さらなる展開も期待できそうだ。

太田智美

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太田智美
太田智美

小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入し、小・中・高とピアノを専攻。大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業する。 その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し、「おところりん:ソーシャルネットワークにおける偶然性を用いた音楽生成(Otocororin: a chance music for social network systems) (http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/KO40001001-00002010-0075.pdf?file_id=44931) 」を修士論文として提出。同研究は、情報処理学会 第12回「Internet and Operation Technology(IOT)」研究会において学生奨励賞を受賞。 同大学院を修了後、2011年にアイティメディア株式会社に入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営、記事執筆などに携わる。2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属される。これまでの代表作は「世の中やっぱり金でした 71万円の大金を積んで誰よりも早く『iPhone 6 Plus』の使い勝手を検証してみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1409/10/news139.html) 」「スケスケでまるみえじゃないですか! 人によっては透明に見えるドレスを作ってみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1502/27/news152.html) 」「あの日、Twitterのくじらが出なかったもう1つの理由 (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1401/08/news082.html) 」「ゆとり世代が問う『好きなことをやって何が悪い!』(シリーズ) (http://www.itmedia.co.jp/keywords/yutori_generation.html) 」「はじめてのAI(連載) (http://www.itmedia.co.jp/news/series/5264/) 」など。 Twitter:@tb_bot (https://twitter.com/tb_bot)

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