STORIA法律事務所ブログ
人工知能が作ったものは誰のモノ? 弁護士が体を張って解説してみた(1/3 ページ)
この記事は「STORIA法律事務所」のブログに掲載された「人工知能がコンテンツ業界に与えるインパクトを考えると冷や汗が出てくる」(2016年3月20日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
「人工知能が描いた絵がすごい」というツイートが昨年話題になりました。
これ、確かにすごい。「A Neural Algorithm of Artistic Style」という論文が原理を説明してくれているようですが、数式なんかも出てきて難解そうなので、取りあえずサービスだけ利用してみました。
サービスの名前は「DeepArt」。加工したい写真と、スタイルを表す画像を1点ずつアップロードすると、人工知能がその写真をそのスタイルで加工してくれるサービスです。
例えばこちら。花を撮影した写真に静物画のスタイルを付け加えることで、元の写真の印象は残しつつ、かなり異なるイメージの写真出来上がっています。
使い方はとても簡単
サービスの利用方法はとても簡単です。左側の「YOUR PHOTO」のところに加工したい写真を1枚アップロードし、右側の「STYLE IMAGE」にはスタイルを表す画像を1点アップロードして「submit」を押すだけです。
無料でも利用できるのですが、現在はかなり申し込みが殺到しているようで、無料サービスだと申し込んでから完成まで4000分ほどかかるようです(2016年3月20日時点)。ただ、そこはちゃっかりしておりまして、2ユーロ支払えば15分で完成させてくれます。
私も早速利用してみましたが、衝撃の結果が出ました。それはまた後で紹介しますが、気になったのは、このように人工知能を用いて制作された作品の著作権はどうなるのか、ということです。
ある作品を元に、別の作品を制作した場合の著作権
それを考える前提として、ある作品を元に別の作品が作成された場合の著作権の考え方について押さえておきましょう。
Aさんが著作物Xを制作し、次にBさんが、著作物Xを元に、自分なりの創作性のある表現を付け加えて著作物Yを作成したとします(Aさんの了解の有無はここでは問いません)。
このとき、著作物Yが著作物Xに類似している場合(表現上の本質的な特徴を感得できる場合)には、著作物Yを著作物Xの「二次的著作物」と言います。
二次的著作物となると、著作物Yを創作したBさんだけでなく、原著作物Xの著作者であるAさんも、二次的著作物についてBさんと同一の権利を持ちます(著作権法28条)。
つまり、二次的著作物Yについては、AさんとBさん両方が権利を持つ、ということになりますので、仮に誰かが二次的著作物Yを利用したい場合には、その両者の承諾を得なければならない、ということになります。
ただ、ある作品を元に別の作品を制作した場合全てが「二次的著作物」となるわけではありません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
STORIA法律事務所ブログ
東京都と神戸市にある「STORIA法律事務所」のブログに掲載された、選りすぐりの注目記事を転載しています。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
2
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
3
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
4
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
5
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
6
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
7
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
8
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
-
9
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
10
「漏えい」の一言で素通り客が振り返る──相次ぐ情報流出の中で開幕のセキュリティ展示会 来場者の態度も激変
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR