手描きスケッチや画像から「古典籍画像」を検索するシステム NIIらが開発

 国立情報学研究所(NII)と国文学研究資料館の共同研究チームは6月8日、手描きスケッチや画像から古典籍画像を検索できるシステムを開発したと発表した。検索窓に手描きでスケッチすると、似ている形状を含んだ古典籍画像をデータベースから検索できる。検索にかかる時間は1ミリ秒以下という。

 古典籍画像とは、古い書物の中で特に内容・形態共に優れている書籍の画像のこと。例えば今回のデータベースにも含まれる「絵本和歌浦」(1734年)などの画像を指す。

 検索システムには、深層学習などの人工知能(AI)関連技術を活用。画像検索では、元の画像に写っている人の顔や画像全体の色彩、着ている衣類の色、周りに映っているもの(景色など)といった情報を基に、似ている古典籍画像を探せる。

 手描きスケッチ検索では、スケッチから深層特徴量(画像情報を表現する高次元のベクトル)を抽出し、同じような深層特徴量を持つ古典籍画像をリアルタイムに検索する。検索結果の画像を検索窓にドラッグ&ドロップし、再検索することも可能だ。

 検索対象は「絵本和歌浦」「絵本時世粧」「絵本姫小松」「絵本玉かつら」「十二類絵巻」「絵本徒然草」の古典籍6冊を含む178枚(1309領域)。研究チームは今後、同システムをWebブラウザ向けアプリとして提供する予定。

 さらに、元画像内の領域を指定して検索する機能や、画像内容に合わせた検索機能(例:平安時代の絵巻物の中から「光源氏を後ろから見つめる葵の上」の構図を持つ絵を探す、天保時代の人々の生活を描いた画集の中から「男女が共に稲作に従事している姿」を探す、など)も実装する予定。将来は、国内外の美術館に収蔵された古典籍画像の横断検索を実現したいとしている。

 同システムは、「国立情報学研究所 オープンハウス2017」(6月9~10日、東京・学術総合センター)でデモンストレーションを予定している。

太田智美

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太田智美
太田智美

小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入し、小・中・高とピアノを専攻。大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業する。 その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し、「おところりん:ソーシャルネットワークにおける偶然性を用いた音楽生成(Otocororin: a chance music for social network systems) (http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/KO40001001-00002010-0075.pdf?file_id=44931) 」を修士論文として提出。同研究は、情報処理学会 第12回「Internet and Operation Technology(IOT)」研究会において学生奨励賞を受賞。 同大学院を修了後、2011年にアイティメディア株式会社に入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営、記事執筆などに携わる。2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属される。これまでの代表作は「世の中やっぱり金でした 71万円の大金を積んで誰よりも早く『iPhone 6 Plus』の使い勝手を検証してみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1409/10/news139.html) 」「スケスケでまるみえじゃないですか! 人によっては透明に見えるドレスを作ってみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1502/27/news152.html) 」「あの日、Twitterのくじらが出なかったもう1つの理由 (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1401/08/news082.html) 」「ゆとり世代が問う『好きなことをやって何が悪い!』(シリーズ) (http://www.itmedia.co.jp/keywords/yutori_generation.html) 」「はじめてのAI(連載) (http://www.itmedia.co.jp/news/series/5264/) 」など。 Twitter:@tb_bot (https://twitter.com/tb_bot)

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