太田智美がなんかやる

最近話題の「VALU」ってどんな仕組み? よく分からないので調べてみた

 “自分の価値”を発行・交換できるサービス「VALU」(バリュー)が話題だ。このサービスは、株式会社の「株式」のように、個人が自身の「模擬株式」(価値)を発行し、取引するというもの。6月1日にサービスが正式公開されると、数日で1000万円相当を調達する人も出てきた。

 決済にブロックチェーン技術を活用したビットコイン(仮想通貨)を採用していることもあり、興味を持った筆者はアカウントを作成。VALUを始めるには事前に審査が必要となるが、ここも無事にクリアした。

 準備段階が終わり、いよいよ自分の“模擬株式(価値)”を売る段階に突入。しかし、チキンな筆者は手を止めた……こわい。

 何がこわいかというと、このサービスについてよく分かっていないことがこわい。どれくらいこわいかというと、初めて黒くてイガイガの殻に包まれたウニを目にし、「これを食べろ!」と言われるのと同じくらいこわい。そんなわけで、食べる前に調べてみた。

VALU “自分の価値”を発行・交換できるサービス「VALU」

 VALUには“自分の価値”を売る側の人と“他人の価値”を買う側の人がいる。売る側の人は0円で始められるが、買う側の人はお金が必要になる。

 この世界で使えるお金は、円でもドルでもなく、「ビットコイン」というもの。この「ビットコイン」とは、「仮想」の「通貨」。お金ではあるけど、オンラインゲーム内の通貨のように、手に取れる形で存在するわけではない。しかし、ビットコインが使える場所であれば、普通のお金と同様に物やサービスを買うことができる。VALUではこの「ビットコイン」で“自分の価値(株)”が取引される。

 取引はこんな感じ。全部で1000の自分の価値があるとする。これを仮に1000株とすると分かりやすい。

 例えば、売る側の人が「自分の1株を1000円で売りたい」と思っているとする。買う側の人も「その人の1株を1000円で買いたい」と思っていれば取引は成立。売る側の人が「1株を1000円で売りたい」と思っているのに、買う人が「その人の1株は300円の価値しかない」と思えば取引不成立。その逆で、買う人が「1株1万円で買いたい」と思っていても、売り手が「まだ売らない」とすれば、取引不成立となる。

VALU 取引不成立
VALU 取引不成立
VALU 取引成立!

 「買いたい」という人が複数人いる場合は先着順となる。例えば、Aさんの1株を300円で買いたいという人が5人、1000円で買いたいという人が10人いた場合、Aさんが1株1000円で15株売ったら購入希望者全員が買える。しかし、1株1000円で3株しか売らなかった場合は、1000円で買いたいといった10人の中から先着3人しか買えない。これは、オークションのようなイメージだろうか。

 株を買う側は、買った株の価値が買ったときよりも上がれば、高い値段で売ることができ、買った株の価値が買ったときよりも下がれば安い値段でしか売れず損をしてしまうこともある。売る側としては、初期投資がないため損をすることはないが、売り方などによっては「もっと高く売れたのに!」「一気に大量の株が売られてしまったので次の日の1株あたりの値段が下がってしまった」といったことが起こりうる。“自分の価値(株)”は、その日に売れた値段をもとに次の日の1株あたりの値段が決まるので、売る側としてはちょっとずつ売るのも手かもしれない。

 これまで“自分の価値”を「株」と表現をしてきたが、会社の株と違うところは、買い手が“株主”のような役割を必ずしも担う必要がないということ。逆に、VALUを買っても発行主に意見することはできない。似たような仕組みとして「優待」という機能があるが、これは必須ではない。あくまでもVALU発行主の責任で定める「VALUERに対する特典」だ。

 ということで、ここまで調べてみたが、いざ始めてみてやっぱりやめたい……となったら、すぐにやめることはできるのだろうか?

 今回、実際に自分の“模擬株式(価値)”を売るところまでをレポートする予定だったが、臆病な筆者はまだ“ウニ”の生態がつかめていないので、もう少し調べてから始めてみたいと思う。

太田智美

筆者プロフィール

 小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入。小・中・高とピアノを専攻し、大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業。その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し修了した。

 大学院を修了後、2011年にアイティメディアに入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営・記事執筆などに携わり、2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属。プライベートでは2014年11月から、ロボット「Pepper」と生活を共にし、ロボットパートナーとして活動している。2016年4月21日にヒトとロボットの音楽ユニット「mirai capsule」を結成。

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ITmedia ニュースに配属された太田智美が、テクノロジーの力を信じてなんかやるという新連載。毎日るんるんしながら生きている。

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太田智美

小学3年生より国立音楽大学附属小学校に編入し、小・中・高とピアノを専攻。大学では音楽学と音楽教育(教員免許取得)を専攻し卒業する。 その後、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。人と人とのコミュニケーションで発生するイベントに対して偶然性の音楽を生成するアルゴリズム「おところりん」を生み出し、「おところりん:ソーシャルネットワークにおける偶然性を用いた音楽生成(Otocororin: a chance music for social network systems) (http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/KO40001001-00002010-0075.pdf?file_id=44931) 」を修士論文として提出。同研究は、情報処理学会 第12回「Internet and Operation Technology(IOT)」研究会において学生奨励賞を受賞。 同大学院を修了後、2011年にアイティメディア株式会社に入社。営業配属を経て、2012年より@IT統括部に所属し、技術者コミュニティ支援やイベント運営、記事執筆などに携わる。2014年4月から2016年3月までねとらぼ編集部に所属。2016年4月よりITmedia ニュースに配属される。これまでの代表作は「世の中やっぱり金でした 71万円の大金を積んで誰よりも早く『iPhone 6 Plus』の使い勝手を検証してみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1409/10/news139.html) 」「スケスケでまるみえじゃないですか! 人によっては透明に見えるドレスを作ってみた (http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1502/27/news152.html) 」「あの日、Twitterのくじらが出なかったもう1つの理由 (http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1401/08/news082.html) 」「ゆとり世代が問う『好きなことをやって何が悪い!』(シリーズ) (http://www.itmedia.co.jp/keywords/yutori_generation.html) 」「はじめてのAI(連載) (http://www.itmedia.co.jp/news/series/5264/) 」など。 Twitter:@tb_bot (https://twitter.com/tb_bot)

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