野菜宅配「らでぃっしゅぼーや」、配送無料枠を拡大 「時代に逆行」で生き残りへ
有機野菜などの宅配サービスを展開するらでぃっしゅぼーや(NTTドコモ傘下)は8月25日、配送料の無料対象範囲を10月2日に拡大すると発表した。カタログ注文品の場合、配送無料の条件を「購入額が8000円以上」から「5000円以上」に引き下げる。注文のハードルを低くし、顧客単価を押し上げることで、競争が激化する食品配送業界で生き残りをかける考えだ。
らでぃっしゅぼーやは、旬野菜をセットにした定期お届けサービス「ぱれっと」、単品購入ができるカタログ注文サービス「元気くん」などを提供している。これまでは、ぱれっとのみ配送料が無料で、カタログ注文品は購入額が8000円未満だと配送料が別途かかっていた。
10月2日以降は、カタログ注文品の購入額が5000円以上で、配送料を無料に。一方、ぱれっとのみの利用だと、購入額が2999円以下なら280円、3000~4999円なら180円の配送料が必要になる。ただ、ぱれっとを(1)3年以上継続利用している、かつ(2)直近3カ月で3回以上購入しているユーザーは、その場合も無料にする。長く利用するユーザーを優遇する方針という。
従来の体系だと、ぱれっとの配送料が無料でも、カタログで単品を追加注文すると配送料が発生するため注文を控えるというケースが考えられる。無料対象範囲を見直し、ぱれっととセットでカタログ注文を促すことで、顧客単価を押し上げる狙いだ。
配送には、自社の流通網を利用する。配送コストの増加は、ユーザー注文単価の増加分で吸収できると見込む。
「時代に逆行して一石を投じる」
近年、ネットショッピングの普及に伴い、宅配便の取扱数が急増。ドライバーの負担を軽減するために、ヤマト運輸は10月、佐川急便は11月に個人向け宅配の運賃を値上げする予定だ。
こうした状況下で「宅配をなるべく使いたくないという、心理的影響がユーザーに広がるのを懸念している」(らでぃしゅぼーや 野沢千晶営業本部長)という。そんなタイミングで“あえて”配送料の無料対象範囲を拡大し、利便性をアピールする考え。同社の国枝俊成社長は「市場を広げるために、時代に逆行して一石を投じる思い」と話す。
ただ、生鮮食品の宅配サービスを巡っては、アマゾンジャパンが今年4月に「Amazonフレッシュ」を東京都内を中心に始めたほか、大地を守る会とオイシックスが今秋に経営統合し業界最大手になる見通しがあるなど、競争が激化している。
国枝社長は「単に物品を届けるだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションなどサービスを拡充」して、競合と差別化を図るという。
16年9月からは、配送スタッフがユーザーの要望に応えるコンシェルジュ(御用聞き)サービスを強化。配送スタッフのスキルを3段階で格付けし、インセンティブを与えることで、サービス品質向上につなげる制度を導入している。
「欧米と比べると、オーガニック食品の国内市場規模は非常に小さく、1500億円程度。人口比からいうと1兆円規模になる見込みはあるはず。業界の拡大を願っている」(国枝社長)
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